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「中高年層の孤立から『韓国の孤独死の素顔』見えた」

『ひとりで死ぬ社会』を出版した「孤独死研究者」ソン・インジュ代表
ススロラボのソン・インジュ代表が今月5日午後、ソウル麻浦区のハンギョレ新聞社で、孤独死について執筆した著書『ひとりで死ぬ社会』の内容などについて語っている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 「孤立して亡くなっていった人々のエピソードを通じて、この社会に問いを投げかけたかったんです。彼らが孤独に死んでいくまで、社会はどこに存在したのか」

 「ススロラボ」のソン・インジュ代表(55)は先日、11人の孤独死の事例を分析した『ひとりで死ぬ社会』(キミョンサ)を出版した。ソウル福祉財団の上級研究委員として11年間勤務し、2016年から2万件を超える変死者の記録を検証するとともに、孤独死の現場を回りながらおこなってきた「孤独死」研究にもとづいて執筆した初の書籍だ。同氏はこの本に、これまでの研究書に収め切れていなかった中高年男性、自立準備青年ら11人の死を、社会的原因を振り返る「社会的解剖」というやり方で記録した。

 昨年、所属していたソウル福祉財団を退職し、同年7月に孤独死の現場分析や独居世帯の生活支援モデルなどを研究する研究所「ススロラボ」を立ち上げ、孤独死の研究を続けている。「孤独死研究者」として大衆とのコミュニケーションを広げつつあるソン代表に今月5日、ソウル麻浦区(マポグ)のハンギョレ新聞社でインタビューした。

 ソン代表は、2016年に開催された討論会で出会った日本の「孤独死研究者」の問いをきっかけに、「韓国の孤独死の素顔」を見つめるようになった。「日本の孤独死研究者は、韓国の中高年の孤独死の割合が高いことに非常に驚いていました。日本では中高年よりも高齢者の孤独死が多いんです。では、韓国で中高年の孤独死が多い何か特別な理由があるのだろうか。その理由を探る必要があると思ったんです」

 実際に同氏が孤独死を研究する中で出会った人々は、ほとんどが中高年男性だ。2024年の孤独死による死者数は3924人で、50代から60代の男性は54%を占める。孤独に死を迎えた中高年は、事業の失敗、失業、健康問題、離婚などの様々な要因によって孤立した生活を送っていた。「韓国社会の急速な変化に適応できなかった人々、職場からリストラなどにより追い出された人々、事業に失敗して再起できなかった人々は、経済的困難に直面し、健康状態が悪化し、家族と断絶し、アイデンティティーの喪失に直面します。結局、彼ら中高年は家族や社会と断絶して生きてきて、孤独に死を迎えることになります」

 しかし、彼らは国のセーフティーネットにはなかなかかからない。「中高年にとって、基礎生活受給保障制度の支援を受けるのは少々難しいんです。障害がなければ労働能力がないことを証明しなければならず、複雑な申請手続きを経なければなりませんから。この2つは非常に難しいハードルです。証明と申請という至難の過程を経て基礎生活受給者になっても、その3~4カ月後に亡くなることが多いんです」

中高年男性ら11人の孤独死の事例を社会的解剖というやり方で分析した『ひとりで死ぬ社会』=キミョンサ提供//ハンギョレ新聞社

 ソン代表は、中高年男性の孤独死を防ぐには、孤立した生活から抜け出させる必要があると語る。何よりも、彼らに社会的雇用を提供するなど、自立の根拠の整備が急務だと同氏は強調する。「孤立した中高年が改めて社会で能力を発揮できる社会的活動、雇用を創出しなければなりません。彼らが生きていくためには、自分がこの社会で何らかの役割を果たせるということが非常に重要だからです。そのためには労働時間を減らし、仕事を多くの人と分かち合う必要があると思います」

 ソン代表は、独居高齢者などの孤独死を発見する介護労働者に対するトラウマ治療も必要だと語る。「核家族化が進み、独居世帯が増える中で、独居高齢者などの世話をする人々のほとんどは、家族ではなく療養保護士などの介護労働者です。介護労働者は、自分が世話していた人々の死を見ることで、罪悪感とトラウマを抱えます。ひどい場合は、誰かの家のドアを開けることそのものを恐れます。苦しむ人々が心理的支援を受けられる制度を整備すべきです」

 同氏が2016年から10年以上も孤独死の研究に取り組んでいるのは、なせだろうか。ソン代表は「孤独死の研究を始めたのは偶然でしたが、このテーマに10年以上しがみついてやってこれた原動力は、おそらく父だと思います。孤独死の研究を始める1年前の2015年の初冬に、がん闘病中だった父が亡くなったんです。父が世を去るまでの1週間、人が死に近づいていく過程をそばで見守りました。その中で、死の瞬間に誰かがそばにいること、最期の過程を共に耐える手がさしのべられることがどれほど重要なことかを感じました。同時に、孤独に死んでいく人々の苦しみを軽くするために、私たちは何をすべきかを考えるようになりました」と語った。

 同氏は今年4月から毎月4日に、死について語る会「カフェ・サダム」を開催している。「死について語り合うことを避ける文化を変えたい。死を思い浮かべるだけでも、生に対する態度が大きく変わるんです。良い死を迎えるために、自分は今、何をすべきか、最期にそばにいてくれる周囲の人々にどう接するべきかを考えるようになりますから。結局のところ、どう死ぬかは、どう生きるかとつながっているってことです」

ホ・ユンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/1272641.html韓国語原文入力:2026-08-12 20:11
訳D.K

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