「夫が死去し、石壁が崩れ、明かりが消えたように目の前が真っ暗になった。誰も夫と同じことを経験してはならない」
チンマイマイさん(34)は16日午後1時、ソウル鍾路区(チョンノグ)のSKエコプラント本社前で、夫のアウンミヌさん(37)の遺影を掲げ、「会社が安全設備を十分に設置していれば、夫が死ぬことはなかったはず」と訴えた。民主労総世宗(セジョン)忠清南道地域本部と移住労働者平等連帯はこの日、記者会見を行い、アウンミヌさんの死の真相究明と責任者の処罰を求めた。
ミャンマー出身の移住労働者アウンミヌさんは今月1日午後4時ごろ、忠清南道牙山市陰峰面(アサンシ・ウムボンミョン)の高速列車(KTX)平沢(ピョンテク)~五松(オソン)間の複線化工事の現場のトンネルで単独作業中、土を除去するベルトコンベアに挟まれた状態で発見され、病院へ搬送されたが死亡した。公共が発注した事業は指針上「2人1組」が原則だが、現場では守られていなかった。コンベアには非常停止装置もなかった。今回の工事の発注者は国家鉄道公団、施工者はSKエコプラント。
移住労働法律支援センター「ソグムコッナム」で活動するイ・ヨンドクさんは、「コンベアが回っている時に機械の下で設備点検を行う構造なので危険。地面が平らではなく狭い曲面で、足場がない状況で作業が行われていた」と語った。現場では、コンベアなどの危険な業務は下請け業者に所属する移住労働者が担っていた。
15日に忠清南道天安(チョナン)の檀国大学病院での葬儀で取材に応じた同僚たちも、工事現場は劣悪だったと証言した。アウンミヌさんと3年あまり共に働いてきたというミャンマー人のAさん(49)は、「私が一緒に入らなければならなかったのに、1人だけコンベヤーの仕事をしろと言われた。人数が十分だったなら死ぬことはなかっただろう」と語った。Aさんは「トンネルの中では携帯電話もあまり通じない。状況を確認し合える無線機などの安全装置が十分に整っていなければならなかった」と訴えた。
葬儀を見守っていた妻のチンマイマイさんは、夫の死に実感がわかないと語った。「夫は自分や私の家族、親を食べさせていくには、働くべき人間は自分しかいないと言って、2022年に韓国に働きに行った。死んだという電話がかかってきた時、最初はうそだと思った。今でも信じられない」。チンマイマイさんはビザの問題で夫が亡くなってから2週間たった15日の早朝にようやく韓国に入国できた。チンマイマイさんは「毎日胸が張り裂けそうだった。ひとりですごく待たせてしまった。ごめんなさい」と涙ながらに語った。
「15年間完璧な夫だった。4人の子どもたちにとっては最高のパパだった。責任感が強く、普段は『つらい』とも言わなかった」。チンマイマイさんは「私もつらいが、無理にでも食べたり眠ったりしようと努めている。夫がなぜ死ななければならなかったのかを明らかにしなければならないから」だと語った。
遺族から交渉権を委任された民主労総世宗忠清南道本部は、SKエコプラントと下請け企業との謝罪と賠償、真相究明、再発防止策などについての協議を開始した。
雇用労働部と警察は、アウンミヌさん死亡事件について調査をおこなっている。労働部天安支庁は産業安全保健法および重大災害法違反の疑いがあるかを調べており、忠清南道警察庁は過失致死の疑いで元請と下請の関係者を調査している。