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「この二人はごく当たり前に夫婦」…両親が同性婚裁判に託した願い=韓国

11年ぶりに開かれた婚姻平等訴訟の審理 
ファン・ヒヨンさん、パク・ヨジンさんカップルの両親の陳述書
先月27日午後3時、同性婚5年目を迎えたファン・ヒヨンさん(右)とパク・ヨジンさんが仁川家庭裁判所富川地裁前で、婚姻平等訴訟の審問後「同性婚を認めないのは違憲・違法だ!同性カップルにも結婚の自由を!」記者会見の後、街頭に出ている=チョン・ヨンイル先任記者//ハンギョレ新聞社

 「二人が見せてくれた勇気と献身のどこに問題があるのか、疑問が湧いた」

 娘の婚姻届の受理可否を判断する裁判所に、パク・ヨジンさん(36)の父親が提出した陳述書の一節だ。ヨジンさんは2020年9月、同性の女性であるファン・ヒヨンさん(37)と結婚式を挙げた。そして2024年、結婚4周年を迎えて管轄の市役所に提出した婚姻届が受理されなかったため、これを不服として訴訟を起こした。

 ヨジンさんが訴訟をすると言ったとき、両親は娘を止めた。「なぜわざわざ石を投げられるようなことをするのか」という心配からだった。ヨジンさんは「それでもこの国で生きていくなら努力くらいはしてみたい」と答えた。招待状を受け取りながらも結婚式に出席できなかった両親は、今回こそは娘の側に立とうとを決めた。

 こうして書かれた陳述書の中で、ヨジンさんの母親は「結婚式後、法的に認められない二人の関係に悲しさを伝えたとき、二人は幸せに暮らす姿で証明してみせると言った」と振り返った。そして「その時から今まで、二人は変わらず愛し合い、支え合い、未来を共に計画して生きていく姿を見せてくれ、私の不安を前向きな応援の気持ちへと変えてくれた」と記した。

■「父として、一人の人間として尊重する」

 結婚後、ヨジンさんはヒヨンさんとともに毎月両親を訪ねて食事をし、近況を伝えた。両親の誕生日も毎年欠かさず祝った。母親の還暦には保養林に宿を取り、家族全員でお祝いパーティーを開いた。そうして6年近い年月が流れた。ヨジンさんは「親もヒヨンに会って私が『一人前になった』と感じたようで、私のためのおかずはともかく、ヒヨンの好きなおかずは作って送ってくれるくらい可愛がっている」と語った。ヒヨンさんも「ヨジンの誕生日には親がお小遣いまでくれて、ヨジンという人を本当に好きでいてくれる」とし、「最初からそうだったわけではないが、私たちの結婚生活を見て信頼が生まれたのだと思う」と話した。

 ヨジンさんの父親は「二人が交際していると聞いたとき、彼女たちが向き合うであろう敵対的な環境で心身が傷つくのではないかと心配だった。また、一時の気の迷いではないかとも思った」としつつ、「でも二人は外部の困難の中でも愛と献身で互いを支え、勇気を持って生きている。父として、そして一人の人間として、パク・ヨジンとファン・ヒヨンを尊重し、その意思を尊敬する」と述べた。さらに「二人を間近で見てきた一人として、同性同士の夫婦であっても普通の夫婦と何も違いはないと感じる」とし、「違いに注目して差別するのではなく、本質的な正しさに目を向けて包容することが、より良い社会を作る道だと思う」と語った。ヨジンさんの母親も「夫婦とは愛と信頼で結ばれ、理解と献身で人生の困難を乗り越えながら生涯を共にする関係であるならば、ヨジンとヒヨンはごく当たり前に夫婦だ」と書いた。

■11年目にして二人のつらさを尋ねた裁判所

 ヨジンさんとヒヨンさん、そして両親の切実な思いが通じたのだろうか。裁判所は先月27日、二人が提起した婚姻届不受理処分に対する不服申立てと違憲法律審判申立て(婚姻平等訴訟)について審問を開いた。2015年に同様の訴訟を起こしたキム・チョ・グァンス監督とキム・スンファンさんのカップル以来、裁判所がこのような訴訟を棄却・却下せず審問を開いたのは11年ぶりだった。

 この日、審問期日直後にハンギョレの取材に応じたヒヨンさんは「サプライズのように審問期日が決まり、驚きつつも感謝している。自分たちの話を伝えられたこと自体が励みであり、意味のあることだった」と話した。同じ時期に訴訟を起こした他の同性カップル9組の案件が次々と棄却・却下されたため、大きな期待はしていなかったという。一緒に訴訟に取り組んだ他の当事者たちも、自分のことのように喜んだ。

 裁判所は、法的に婚姻関係が認められないことによるつらさは何か、事実婚と同性婚の違いは何か、などについて質問した。また、2024年に同性パートナーを健康保険の被扶養者と認めた最高裁判決や、戸主制度の廃止、法的性別の変更が可能になった事実にも言及し、変化の流れを確認した。二人はわずかな希望を見いだした。「一歩前に進めたことを嬉しく思います」。ヒヨンさんはそう述べた。

■互いを守り、責任を持てるなら

 審問は開かれたが、二人の結婚が法的に認められる見通しは依然として厳しい。これまでの棄却・却下事例で裁判所は、婚姻制度が「男女の結合」を前提としているため、婚姻届不受理は違法でも違憲でもないと判断してきた。民法上の婚姻成立を規定する条項には同性婚を禁止する規定がなく、このような措置が憲法上の婚姻の自由や人格権を侵害する、という原告側の主張は認められていない。

 それでもヨジンさんは闘いをやめるつもりはない。「結婚が法的に認められなければ、私はこの人を完全に責任を持って支えることができないんです。ヒヨンが突然病気になったとき、最初に連絡を受けたいし、保護者として病院に行きたい。もし私が先に死んでも、二人で築いてきた生活の基盤がヒヨンを守れるようにしたい」。ヒヨンさんも語った。「私たちが望んでいるのは特別な権利ではありません。他の夫婦と同じように、互いを守り責任を持てる最低限の権利を認めてほしいだけです。愛する人を守りたいというこの単純な願いが、心配や恐れにならないことを心から願っています」

ナム・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1256970.html韓国語原文入力:2026-05-04
訳C.M

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