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李大統領「多国間主義が損なわれてはならない…『特定』の国以外はとんどが同意」

登録:2025-11-25 06:36 修正:2025-11-25 09:08
トルコに向かう専用機の中で記者懇談会
トルコを国賓訪問した李在明大統領が24日(現地時間)、アンカラのエセンボーア国際空港に到着した後、空軍1号機から降りて儀仗隊を査閲している/聯合ニュース

 「多国間主義が損なわれてはならないという考えには、特定の国を除くほとんどの国々が同意している」

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は、南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、世界貿易機関(WTO)を中心とした多国間主義の貿易秩序の回復を呼びかけた背景について、23日(現地時間)にこのように述べた。「特定の国」とはドナルド・トランプ大統領が率いる米国を指すものとみられる。米国は次期G20サミットの議長国であるにもかかわらず、今回のG20サミットが低開発国の貧困問題解決と多国間主義の貿易体制などを擁護したことに対し、「出席見送り」で事実上の「拒否」の立場を示したためだ。

 李大統領は同日、G20サミット議長国の南アフリカ共和国からトルコに向かう大統領専用機で懇談会を開き、「WTO中心の多国間主義体制がかなり損なわれているが、多国間主義が損なわれてはならないという考えには、大韓民国だけでなく、特定の国を除くほとんどの国々が同意している」と述べた。さらに「首脳会議で各首脳や国際機関の代表らの発言を見ても分かると思うが、自由貿易体系、多国間システムの強靭化を図るべきであり、できるだけ損なわれないようにすべきという点には皆同意している」と強調した。

 ただし、WTOの機能を回復した多国間主義秩序を強調したG20首脳宣言を採択する過程は容易ではなかったと、李大統領は説明した。宣言文を全加盟国の名義で発表できず、参加国の名義で発表したためだ。米政府を意識したいくつかの加盟国が、会議で宣言文の採択に反対したという。

 にもかかわらず李大統領は、国際社会が多国間主義の秩序を放棄することはできず、放棄してもならないという考えを明らかにした。李大統領は「国際関係というのはどこか規律する特別な権力があるわけでもなく、各種条約や規範を守らなくても(強制する)方法がないため、善意に頼るしかない」としたうえで、「にもかかわらず、国家間の関係は互いに離れて個々に暮らすことができない状況なので、皆が尊重される、皆が共に豊かになる多国間主義体制作りに向け最大限協力していかなければならない」と強調した。また「首脳たちと対話してみると、利害関係が類似した国同士を束ねてみようという話が多く出てくる」とし、「WTO体制が脅かされているため、他の構造を目指す動きがある」と伝えた。

 李大統領は、このような国際社会の気流を考えると、自由貿易秩序は結局、唯一の道にならざるを得ないと強調した。李大統領は「自由貿易秩序が結局はすべての国家が共生する唯一の道であるため、その道に進むほかはないと思う」とし、「それを訴え続けるしかない」と語った。現実と理想の乖離にもかかわらず、現実に石を投げ続けるしかないという意味とみられる。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1230980.html韓国語原文入力:2025-11-24 17:42
訳H.J

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