原文入力:2010-07-19午後07:20:07(2031字)
仮防水に水満たし衝撃吸収計画 狂う
咸安堰 2時間50分、陜川堰 50分で水 流入
マニュアルには "8時間" "7時間"…安全に‘赤信号’
パク・ヨンニュル記者,チェ・サンウォン記者
←水辺が崩れた咸安堰 慶南地域に降った大雨で水辺が崩れ落ちた慶南、昌寧郡、吉谷面の洛東江18工区 咸安堰工事現場で18日、河岸の砂が川に流されている。 昌寧/シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr
4大河川事業工事現場の各地で政府の雨季安全対策が支障をきたしている。集中豪雨で水に浸った陜川堰と咸安堰工事現場では雨季対応マニュアルがまともに作動しなかったことが明らかになり、国土海洋部が‘全て片づけた’と発表した浚渫土も川の周辺随所にに放置されていて不安感を高めている。
■支障きたした仮防水 源流対策
去る17日午前10時50分頃、慶南、咸安郡の咸安堰建設現場では仮防水上を水が滝のように越えて入り始めた。‘洪水対応マニュアル’に従い、仮防水下に設置された集水管で水を満たし始め、わずか2時間50分後だった。
これは去る2日、チョン・ジョンファン国土海洋部長官が現場点検をした当時、水資源公社が報告したシナリオと異なる状況だ。当時、水公は川の上流のチョクポ橋が警戒水位に達すれば、仮防水上に水があふれて上がるには9時間20分かかり、これに先立ち8時間かけて仮防水内に水を満たし入れる内部注水作業をすると明らかにした経緯がある。仮防水の上に水があふれる1時間余り前から水を満たし構造物に加えられる衝撃を吸収できるということだったが、実際に今回の集中豪雨時は予想よりはるかに早く仮防水上に水があふれてしまった。
陜川郡の陜川堰の場合はより一層激しく、この日明け方4時に注水を始めたが川の水が仮防水上に越えてき始めたのは、わずか50分後の4時50分だった。水公側の陜川堰安全対策を見れば、水を満たすには7時間かかるとされている。
これに対し咸安堰建設現場関係者は「チョクポ橋の水位が堰工事現場まで降りてくる時間は9時間が妥当だが、今回 咸安地域に集中豪雨がきて、さらに早まった」として「仮防水の高さが低くなり、水をある水位までだけ満たしても内部施設には大きな問題がない」と説明した。陜川堰現場関係者も「7時間の注水時間は仮防水が高さが8mだった時に計画されたもので、今は5mと低くなり、早く完全注水が可能だった」と説明したが、7時間の予定を50分で終えたということには疑問が残る。これに対し、パク・チャングン関東大教授(土木工学)は「政府の雨季安全対策が非現実的に立てられた無理な工事という傍証」として「危険を抱えている工事は直ちに全面中断しなければならない」と主張した。
←「危険です」パク・チャングン関東大教授(市民環境研究所長)が19日、慶南道庁で「咸安堰 仮防水が危険を加重させている」という内容の洛東江事業区間現場調査結果を発表している。昌原/連合ニュース
河川学会など洛東江調査 "浚渫土 川の周辺随所に放置"
■河川辺の浚渫土は安全なのか
大韓河川学会・環境運動連合・4大河川事業阻止慶南運動本部・市民環境研究所などは19日、慶南道庁プレスセンターで記者会見を行い、洛東江一帯で去る16~18日に行った現場調査結果を発表した。
これらは「慶南、昌寧郡の咸安堰と陜川郡のユルジ橋付近の河辺には洛東江底から汲み出した浚渫土を利用し土地を平たくしておいたものが発見された」とし「洪水の度に水に浸り、巻きこまれて下っていく場所に浚渫土で平坦作業をするようくらいなら当初から浚渫をする必要がなかった」と主張した。雨季に備えて浚渫土を全て処理したという国土部発表に対しても反論した。洛東江16工区密陽~昌原区間の河辺に浚渫土がそのまま積まれているということだ。幸い今回の雨では大きな問題がなかったが、本格梅雨期に入れば洛東江に押し流され氾濫を起こす憂慮が高い。これらは「洛東江各地に積んだ浚渫土が再び川に押し流されたので、結果的に下流で浚渫しなければならない物量が増えることになった」として、川に押し流された浚渫土量とこれにともなう追加費用を調査しろと要求した。
国土部は雨季にも河川辺浚渫作業は強行する方針だ。河川辺には一日二日あれば片づけることができる量の浚渫土だけを積むので、作業を継続しても無理がないというのが国土部の主張だ。だが、予報と異なる豪雨が降る場合に対する対策は?
まだない。
パク・ヨンニュル記者、昌原/チェ・サンウォン記者 ylpak@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/431049.html 訳J.S