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李大統領・習近平主席、初の首脳会談…難題山積のもと、本格的な雪解けなるか

登録:2025-11-01 10:58 修正:2025-11-01 11:28
李在明大統領が31日、慶州和白コンベンションセンター(HICO)で開かれた2025アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に参加した中国の習近平国家主席を迎えている=慶州/聯合ニュース

 李在明(イ・ジェミョン)大統領と中国の習近平国家主席の初めての首脳会談が1日午後、慶州(キョンジュ)で開かれる。11年ぶりに実現した習近平主席の韓国国賓訪問によって、両首脳が両国関係をどのように位置づけるのか注目される。

 今回の首脳会談では、朝鮮半島非核化が主な議題として議論される可能性が高い。9月3日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国の戦勝節80周年の軍事パレードに参加するなど、最近の朝中関係改善の流れのもと、中国が事実上、北朝鮮の核保有を黙認する方向に向かっているという観測が出ていることから、李大統領としては、北朝鮮の核に対する両国の認識を共有し、政策協力の範囲の拡大に重点を置くものとみられる。大統領室のカン・ユジョン報道官は31日、「国民の暮らしの問題の延長線上で朝鮮半島の非核化と平和実現の問題についても議論することに議題をまとめた」と述べた。李在明大統領は交流・関係正常化・非核化を並行して推進するENDイニシアチブの進展のための中国の「仲裁者」としての役割を求めるものと予想される。

■中国、韓国の原子力潜水艦に警戒心

 韓米が首脳会談で韓国の原子力潜水艦建造に合意したことが、韓中首脳会談でどのように議論されるかについても注目される。中国外交部はこの件について、韓米に対して「核不拡散義務の履行」と「地域の平和安定促進」を求めた。特に中国は、韓国が遠洋に進出して活動できる原潜の建造を推進することで、米国の対中国封じ込め戦略に深く関与するのではないかと疑いの目を向けている。李在明大統領が韓米首脳会談で「ディーゼル潜水艦は潜航能力が劣るため、北朝鮮や中国の側の潜水艦を追跡する活動には限界がある」として「中国」に言及したことについても、問題を提起する可能性がある。

 この懸案は、韓中関係が米中覇権競争の盤上で動いている現実も改めて示した。トランプ大統領は29日の李大統領との首脳会談では、「韓国が原子力潜水艦を必要としていることに共感する。検討する」という程度の立場を明らかにしただけだと言われていた。ところが、30日朝、「韓国が原子力潜水艦を建造できるよう承認した」とソーシャルメディアを通じて公表した。米中首脳会談を数時間後に控えてのことという点で、習近平主席を意識したものとみられる。

李在明大統領が31日、慶州和白コンベンションセンター(HICO)で開かれた2025アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の第1セッションで中国の習近平国家主席とともに入場している/聯合ニュース

■対中封じ込めへの参加に対する疑いを払拭することが必要

 トランプ大統領はその後、ロシアと中国の核戦力増強に言及し、米国の核実験再開の意向も表明した。習近平主席に会う前に同盟国との緊密な関係を誇示しようとするトランプ大統領の意向を読み取った李大統領が、関税交渉や原潜の建造に対する同意を引き出したわけだ。李大統領はこのような構図のもとで、今度は中国の疑いを払拭すべき番だということをよく認識し、習主席との初めての会談を準備すると予想される。

 国家安保戦略研究院のヤン・ガビョン責任研究委員は「韓国が原潜の建造を決めたことについては、中国は不快に感じるだろうが、李大統領は韓中首脳会談で、原潜は北朝鮮の核戦力強化に備えるためのもので、自主国防を進める過程で必要なことを行うものであり、中国を狙おうとするものではないことを一貫して説明しなければならない」と述べた。米国の中国封じ込めに参加するのではなく、韓国が20年ほど前から自主国防のために着実に進めてきた課題であり、北朝鮮の核戦力が高度化されたことに対して韓国も対応が必要であることを、今後の中国との外交で明確かつ一貫して説明すべきという注文だ。

■中国が懸念する「嫌中デモ」「選挙介入陰謀論」対策は

 これと関連して、中国は韓米両国の造船業協力計画であるMASGAプロジェクトを通じて、韓国が老朽化した米国の造船業を復活させ、米軍の軍艦建造を支援することについても、警戒感を示し続けてきた。最近、ハンファオーシャンの米国内の5つの系列会社に対して制裁を下したことについて、李大統領が今回の会談でどう解決を図るかも課題だ。

 困難な状況のなかで11年ぶりに習近平主席の国賓訪問が実現したことは、韓中関係にとって非常に重要な意味がある。習近平主席は2014年に国賓として訪問し、2015年には朴槿恵(パク・クネ)大統領が天安門の望楼に立ったが、その直後に在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル体系)配備問題で両国関係は急速に冷え込み、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権と内乱政局を経て拡大した嫌中デモと選挙介入陰謀論が両国関係に重くのしかかっている。米中の技術・覇権競争のもとでの韓国の困難な状況を「二つの石臼の間に挟まった国」(ブルームバーグのインタビュー)と表現した李大統領が、今回の会談を通して韓中関係の突破口をどう開くかによって、当面の朝鮮半島と東アジア情勢を左右することになりうる。

■李大統領、韓中FTAのアップグレードを提案する模様

 慶州APEC首脳会議は、習近平主席にとって非常によい機会を提供したものといえる。多国間主義の外交舞台を敬遠するトランプ大統領が、本会議への「不参加」を選択した後、習近平主席は31日の会議での演説で多国間主義を強調し、「アジア太平洋共同体を作ろう」と提案した。李在明大統領は1日の習主席との会談で、韓中自由貿易協定(FTA)を一段階引き上げ、両国国民が友好の利点を実感できる民生協力の拡大に関するアクションプランも提案するものと予想される。急ぐことなく、両国国民が韓中友好の利益を実感できることから徐々に進めていくという李在明式実用外交だ。

 李大統領は30日に到着した習主席一行に、作り立ての皇南(ファンナム)パン(慶州名物のまんじゅう)を差し入れることで最初の挨拶を交わした。1日にはトランプ大統領に提供したものに劣らない国賓訪問の歓迎式で習主席を迎える予定だ。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1226776.html韓国語原文入力:2025-11-01 08:15
訳M.S

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