内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームは9日、12・3非常戒厳に加担した疑いが持たれているパク・ソンジェ前法務部長官の拘束令状を請求した。戒厳当時、法務部長官として戒厳の実行に必要な法的な後続措置などを指示した疑いが適用された。
特検チームはこの日、内乱重要任務従事と職権乱用・権利行使妨害の疑いで、パク前長官の拘束令状をソウル中央地裁に請求したことを明らかにした。特検チームは先月24日、パク前長官に出頭を求めて事情聴取している。戒厳当時の国務委員で内乱重要任務従事の疑いがもたれているのは、先に拘束起訴されたキム・ヨンヒョン前国防部長官、イ・サンミン前行政安全部長官、拘束令状が棄却されたため在宅起訴されたハン・ドクス前首相に続き4人目。
パク前長官は戒厳当日の昨年12月3日、法務部検察局に合同捜査本部への検事派遣を検討するよう指示したほか、矯正本部に拘置所の収容空間の確保を、出入国本部に出国禁止業務の人員の待機を指示した疑いが持たれている。特検チームは、戒厳宣布後にパク前長官が、布告令に違反した者を拘禁することを目的として収容空間の点検を指示したこと、主な逮捕対象者を出国禁止にするために出入国業務の担当者を待機させたことを疑っている。
戒厳当日の夕刻にソウル龍山(ヨンサン)の大統領室に早めに呼び出されたパク前長官は、戒厳宣布後、法務部の政府果川(クァチョン)庁舎への移動中に、午後10時57分ごろイム・セジン前法務部検察課長と通話したのを皮切りに、ペ・サンオプ前法務部出入国本部長、シン・ヨンヘ前法務部矯正本部長、シム・ウジョン前検察総長らと相次いで通話。パク前長官との通話を終えたイム前課長は、検察の人事や組織などを担当する法務部検察局の検事および書記官と通話し、シン前本部長はキム・ムンテ前ソウル拘置所長と連絡するなど、順次連絡が実行されたが、この過程でパク前長官の指示に沿って戒厳の後続措置が検討された、というのが特検チームの判断だ。
特検チームは今年8月25日にパク前長官、法務部、最高検察庁を家宅捜索し、その後、シム前総長、イム前課長、シン前本部長、ペ前本部長らを参考人として呼んで事情聴取している。特検チームは、彼らが故意に犯行に及んだかどうかや加担の程度などを考慮し、今月1日にシン前本部長を被疑者に切り替えた。
パク前長官側は、戒厳当日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領から具体的な指示は受けていないとして、疑惑を全面的に否定している。当時、法務部の関連部署に下した検討指示事項は、戒厳の状況にあって法務部が検討すべき通常業務に当たるうえ、逮捕および出国禁止の対象者も伝えられていない、というのがパク前長官側の主張だ。