原文入力:2010-07-09午後10:49:01(2548字)
‘攻撃糾弾’ しながらも ‘北 反応 留意’ 同時に言及
‘天安艦 仕上げ→6者再開’ 早期現実化 不透明
対北韓 追加措置 根拠提供せず 逆に強硬論 牽制
←国連安全保障理事会理事国代表たちが2009年4月13日、ニューヨーク国連本部で開かれた会議で北韓ロケット発射と関連した議長声明内容を検討している。9日(現地時間) 安保理は天安艦事態関連議長声明を発表した。 ニューヨーク/AP連合ニュース
[安保理 ‘天安艦’ 声明 採択] 安保理声明採択の背景と展望
国連安全保障理事会(安保理)が9日(現地時間)採択・発表した天安艦事態関連議長声明は、徹底した外交的折衷の産物だ。
天安艦沈没は ‘北韓の魚雷攻撃’ のためという韓国・米国・日本側と、そのような規定を拒否する北韓・中国・ロシア側が各自便利に解釈できるように ‘二重解釈’ の道を開けてある。要するに安保理議長声明は、天安艦沈没を ‘攻撃’(attack)によるものと規定してはいるが、‘攻撃’の主体は明示しなかった。従って安保理議長声明採択で天安艦沈没事態と関連した国際社会の議論は一段落したが、‘2つの主張’ が接点を求められないことにより、関連論議に終止符を打つことができなくなった。今後も ‘解釈合戦’ が避けられないように見える。6者会談早期再開可否など、韓半島情勢の流れを明確に展望しにくい所以だ。
韓国外交通商部当局者はこの日、安保理議長声明に対し 「意図した核心要素は忠実に含ませた」 として「満足できる成果」 と評価した。 ‘成功した外交’ ということだが、評価の根拠はこうだ。 最初に、議長声明が天安艦沈没を ‘攻撃’ によるものだと2回強調し、これを ‘慨嘆’ と ‘糾弾’(condemn)する内容(2・7項)。 第二に、北韓に天安艦沈没の責任があるという ‘民・軍合同調査団’ の調査結果に照らし "深い憂慮" 表明(5項)。 第三に、"韓国に対する攻撃や敵対行為防止の重要性" 強調(8項)。 第四に、"事件責任者に対する適切で平和的な措置要求" (4項)等だ。
だが、韓国政府と異なる解釈もいくらでも可能だ。 "安保理は今回の事件と関連がないという北韓の反応、そしてその他 関連国家らの反応に留意する" という6項が代表的だ。分量の差はあるものの、根本的に見ようとすれば南北両者の主張が併記された形なので、かえって北韓側がこれを ‘免罪符’ として活用する余地もある。 "国連安保理回付を通じ ‘国際社会の一致した対応の導出’ を目標にした韓国外交の失敗" (キム・ヨンチョル仁済大教授)という評価が出てくる所以だ。
このような事情のために国連安保理の議論終了を契機にした ‘天安艦事態仕上げ→6者会談再開’ 手順の早期現実化可否も不透明だった。韓国、北韓など関連国間に天安艦沈没原因を巡る論難が再燃する可能性があるためだ。
ただし今回の議長声明が追加対北韓措置の根拠を提供しなかった点は留意する必要がある。実際に議長声明は ‘事件責任者に対し適切で平和的な措置’ を要求しながらも、それを誰がしなければならないのかは明示しなかった。 また 「適切な経路を通じて直接対話と交渉をできるだけ早く再開するために平和的手段で韓半島の懸案を解決すること」 を推奨(10項)することで、逆に韓・米・日などの追加的な対北韓強硬措置を牽制した側面がある。 ‘中国外交’ の痕跡と共に、韓半島情勢の追加悪化を防ごうとする米-中の戦略的調整が伺える内容だ。
今後、韓半島情勢の去就は21日にソウルで開かれる韓-米 ‘2+2(外交・国防長官)会談’ と21~23日にベトナム、ハノイで開かれるアセアン地域フォーラム(ARF)等を経て枠が決まるものと予想される。韓半島情勢の早期安定および対話局面進入のカギは、米-中の戦略的調整、そして韓国、北韓の追加攻防自制可否というのが専門家たちの大まかな指摘だ。
イ・ジェフン記者 nomad@hani.co.kr
‘天安艦’ 安保理議長声明 全文
1.安保理は2010年6月4日付、大韓民国駐国連大使名義安保理議長宛書簡および2010年6月8日付 朝鮮民主主義人民共和国駐国連大使名義安保理議長宛書簡に留意する。
2.安保理は2010年3月26日韓国海軍艦艇天安艦の沈没とこれにともなう悲劇的な46人の人命損失を招いた攻撃を嘆く。
3.安保理はこのような事件が領域内および域外地域の平和と安全を危険にするものと規定する。
4.安保理は人命の損失と負傷を嘆き、犠牲者と遺族そして韓国国民と政府に深い慰労と哀悼を表明し、国連憲章およびその他すべての国際法関連規定により、この問題の平和的解決のために、今回の事件責任者に対し適切で平和的な措置を取ることを促す。
5.安保理は北韓に天安艦沈没の責任があるという結論を下した韓国主導下で5ヶ国が参加した民・軍合同調査団の調査結果に照らし、深い憂慮を表明する。
6.安保理は今回の事件と関連がないという北韓の反応、そしてその他関連国家らの反応に留意する。
7.これに伴い、安保理は天安艦沈没を招いた攻撃を糾弾する。
8.安保理は今後、韓国に対し、または、領域内で、このような攻撃や敵対行為を防止することが重要であることを強調する。
9.安保理は韓国が自制を発揮したことを歓迎し、韓半島と東北アジア全体で平和と安定を維持することが重要であることを強調する。
10.安保理は韓国停戦協定の完全な遵守を促し、紛争を回避して状況悪化を防止する目的で、適切な経路を通じ直接対話と交渉をできるだけ早く再開するために平和的手段で韓半島の懸案を解決することを推奨する。
11.安保理はすべての国連会員国らが国連憲章の目的と原則を支持することが重要であることを再確認する。
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/429750.html 訳J.S