北朝鮮に対するビラ散布を禁止した李在明(イ・ジェミョン)大統領は、北朝鮮の(南北境界地域における)韓国に対する放送の中断を「非常に早く呼応して期待以上だった」と評価した。李大統領は「境界地域の平和が大韓民国全体の緊張を緩和する」と強調した。
就任30日を迎えた李在明大統領は3日午前、青瓦台(旧大統領府)迎賓館で行われた記者会見「大統領の30日、メディアが尋ね、国民に答える」で、朝鮮半島への平和定着方策と対北朝鮮政策の構想を江原道民日報の記者に問われ、「(北朝鮮と)今は敵対化し過ぎており、不信もひどいため、容易ではないと予想する」としながらも、「一つひとつ(南北の緊張を)緩和していかなければならない」と述べつつ、南北関係の改善に期待を示した。
李大統領は期待の根拠として、韓国の北朝鮮に対するビラ散布の禁止に北朝鮮が直ちに呼応したことをあげた。李大統領は「対北朝鮮(拡声器)放送を中止する時、(北朝鮮が)どれだけ早く反応するか、反応しなければどうするか、懸念したのは確かだ。懸念はしたものの、きっと呼応するだろうと思った。しかし非常に早く呼応したので、私も少々期待以上だった」と語った。
李大統領は「軍事的緊張が高まるケースと平和を拡張するために努力するケースが対立する部分がある」としつつ、そのような中で「平和を拡張するための努力について、果たしてそれほど積極的に支持されているのかよく分からない時がある」と口惜しさを吐露した。北朝鮮核危機の中での南北関係改善に向けた努力の困難さを率直に表明したのだ。しかし李大統領は「境界地域の平和体制が強化されれば大韓民国全体の緊張が緩和されるし、対話と意思疎通が強化されれば経済状況が改善する」として、自身の持論である「平和と経済の好循環」を重ねて強調した。
李大統領は故金大中(キム・デジュン)元大統領の「太陽政策」に触れつつ、「戦争中も外交と対話をする。対話を全面的に断絶するのは本当に愚かな行い」だと述べた。前任の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の強硬な対決政策で完全に南北対話が途絶えていることを直接的に批判したのだ。そして「相手が1つ得しても自分が3つ得できれば、それは勝つ道だ。その道をうまく見出さなければならない。とにかく(北朝鮮が)何も得られないようにするというのは、韓国にとっても得にならないと思う」と述べた。
李大統領は、北朝鮮との関係改善は「韓米間の強固な協力と協議が基礎」だということを明確にした。韓米同盟、韓米日協力、世界第5位水準の韓国の国防力に触れつつ、「安保分野の研究開発、兵器装備体制の改編、軍の先端化、スマート強軍化を続けていく」と述べた。