原文入力:2010-07-02午後07:29:04(2220字)
国防部 "カタログに魚雷設計図" → "CDに" 翻意
‘粘土に近い’爆発吸着物質など説明良くできず
"地方選挙狙い 急いで発表し、不信招来" 指摘も
イ・ヨンイン記者,イ・スンジュン記者,キム・ミョンジン記者
天安艦事故‘100日’日誌
天安艦が沈没(3月26日)して3日で100日目を迎えたが‘沈没の真実’を巡る論難は依然として沈まない。民・軍合同調査団(合調団)が5月20日 「北韓の魚雷攻撃で天安艦が沈没した」と公式発表したが、以後 政府や合調団の言葉がさかさまになったりすっきりと説明されない部分が多数残っているためだ。そのため‘尻尾’部分から始まった疑惑が事件の真実である‘胴’を揺さぶる状況にまでなったという憂慮の声が高い。
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■‘1番魚雷’を巡る論難
何より5月15日にはえ縄漁船が引き上げた魚雷を巡る論難が熱い。合調団は5月20日、天安艦沈没原因調査結果発表の時、はえ縄漁船が引き上げた魚雷が北韓で製造された‘CHT-02D’魚雷だとし‘決定的な証拠物’として出した。合調団は‘この魚雷が犯人’という根拠として△爆発により発生した吸着物質であるアルミニウム酸化物分析結果△魚雷推進体の‘1番’表示△魚雷と筐体の腐食程度△魚雷推進体と北韓の魚雷設計図の一致などを提示した。
しかし合調団が提示したこれらの根拠はますます挑戦を受けている。最初に、吸着物質と関連して合調団は魚雷の爆薬に含まれていたアルミニウム粉が爆発し天安艦船体と魚雷推進体に白く焼け付いたと説明した。だが、イ・スンホン米国バージニア大教授(物理学)とカナダ マニトバ大地質科学科分析室長ヤン・パンソク博士らは合調団が提示した資料を分析した後、爆発で発生したアルミニウム酸化物でははなく粘土成分に近いと反論した。
二番目、合調団は青色インクで表示された魚雷推進体の‘1番表示’に対しても6月29日に記者協会・言論労組など言論団体を相手にした説明会で 「‘1番’表記のインクは青色油性マジックで、分析の結果‘ソルベント ブルー5’成分が検出された」と明らかにした。しかしソルベント系列はインクに多く使われる成分であり、合調団は‘1番’インクの成分と対照する北韓インク試料を確保できず、‘1番’の証拠では不充分だ。
三番目、同じ期間 海中にあった魚雷と艦首の錆の程度も重要な部分だが、合調団は「魚雷推進体の腐食状態は材質と部位別に最高6倍程、腐食の厚さの差が激しく腐食期間がどれくらいになるのかは判断が難しい」と説明した。科学的説明が困難だという話だ。
四番目、合調団が調査結果発表時に提示した北韓魚雷の実物大設計図も該当魚雷のものではなかったことが遅れて明らかになり、軍の発表に対する信頼にひびが入っている。その上、合調団は当時 北韓が魚雷販売のために製作したカタログに設計図があったように発表したが、キム・テヨン国防長官らは以後、CDにあったと言葉を変えた。
この他にもバブルジェット魚雷が爆発する時に発生する巨大な水柱の存在有無に対しても合調団の発表とペクリョン島哨兵の陳述が交錯している。潜水艇(艦)や魚雷を探知するのに使われるソナー(音波探知機)が天安艦で作動していたのか、沈没の瞬間の熱像監視装備(TOD)映像が本当にないのか、などについても疑問が継続提起されている。
←キム・テヨン国防部長官(中央)が天安艦事件発生100日を一日前にした2日、ソウル、世宗路、政府中央庁舎で開かれた国家政策調整会議の途中、水を飲んでいる。キム長官の左側はイ・クィナム法務部長官だ。 連合ニュース
■なぜ疑問が継続して出てくるのか
専門家たちは政府が‘6・2地方選挙’日程に合わせて急いで真実のパズルを合わせようとしたために発生した‘自業自得’と指摘した。
軍消息筋らの話を総合すれば天安艦沈没原因を置いて、大統領府と軍内部でも‘魚雷派’と‘非魚雷派’に分かれ、少なくない論争があったという。生存者や目撃者たちの陳述が交錯し、北韓の作戦能力に対する評価なども互いに異なったためだ。実際、合調団も6月29日の言論3団体説明会でバブルジェット魚雷を実戦で使い成功したのは北韓が初めてだと認めた。その上、偵察・工作用に使う小型潜水艇に重魚雷を装着し攻撃用として実際に使用できるかに対して、軍専門家たちも簡単には納得できない雰囲気だったという。こういう論難の中で5月15日‘1番魚雷’が引き揚げられ内部論争は‘魚雷派’の勝利で整理された。それだけに‘1番魚雷’と天安艦沈没の相関性を明らかにすることが重要な課題であった。それでも政府はたった5日後に魚雷と天安艦のすべての相関関係を立証したと発表した。
匿名を要求した軍消息筋は「魚雷を移動し水とホコリを除去し、報告書を書くのにかかった時間などを除けば、わずか3日内外ですべての検証を行った格好」として「政府が過度に欲を出し不信を自ら招来した」と指摘した。
イ・ヨンイン,イ・スンジュン記者 yyi@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/428609.html 訳J.S