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韓国与党内でハン権限代行の大統領選擁立論が急浮上…ハン代行は様子見

登録:2025-04-11 02:56 修正:2025-04-11 10:48
派閥横断的な国民の力の「ハン・ドクス擁立論」に 
ハン代行「不出馬宣言」せず曖昧な態度 
尹錫悦に続き「傭兵」に手を伸ばす国民の力 
民主党「巨大な錯覚、早く大統領の夢から覚めよ」
ハン・ドクス大統領権限代行首相が10日午前、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で行われた国政懸案関係長官会議の冒頭で発言している=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 6月3日の大統領選挙を控えて最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン前代表「独走」の構図を破る有力対抗馬がいない与党の中で「ハン・ドクス擁立論」が急浮上している。大統領選の仮想二者対決で、すべての党内候補がイ・ジェミョン前代表にかなりの差をつけられていることに不安を感じた与党「国民の力」の議員たちが先にハン・ドクス大統領権限代行首相の出馬を要請しているかたちだが、ハン権限代行もはっきりとした拒否を示さず、出馬説の拡散を助長するような態度を見せている。大統領の欠位のあいだ国政の臨時管理者の役割に忠実でなければならない権限代行としては、不適切で無責任な姿勢だという指摘が出ている。民主党からは「むなしい夢から目を覚ませ」との批判があがっている。

 今週初めから政界に出回った「出馬説」は、ハン権限代行が8日のドナルド・トランプ米大統領との電話会談中に「大統領選に出るのか」という質問を受け、ハン権限代行が「様々な要求と状況があるため悩んでいる。決定したものはない」と答えた、という中央日報の報道が出たことから、「蓋然性のある見方」として受け止められ始めた。何より対話自体が米大統領と交わした電話会談の一部であることから、ハン権限代行側が流さなければ報道できない内容だ。これについて首相室は「首脳同士の電話会談であり外交的事案であるため、申し上げることは難しい」としながらも誤報対応はしないと表明した。「報道が正しい」ということを間接的に公表したということだ。

 この報道は、ハン権限代行が8日にイ・ワンギュ法制処長とソウル高裁のハム・サンフン部長判事を大統領指名枠の憲法裁判官候補に指名したことに対し、野党と法曹界の批判が降り注ぐ中で出てきた。ハン権限代行側の「マスコミ利用」とみられるのも無理はない状況だった。

 ハン権限代行自身も、旧与党関係者からの出馬の勧めに明確に拒否の意思を明らかにしていない。8日に政府ソウル庁舎でハン権限代行に会ったユン・サンヒョン議員(国民の力)が「出馬を勧めたが断られた」と伝えたのが全てだ。ハン権限代行のこのような態度は、2017年5月の大統領選挙の55日前に不出馬を宣言したファン・ギョアン権限代行(当時)とも異なる。ある親尹錫悦系の議員はこの日、ハンギョレに「先日ハン権限代行に『大統領選で勝つためには必ず出馬すべきだ』という意見を伝えた」と語った。全羅道地域の院外党協委員長らも、この日国会で記者会見を開き、ハン権限代行の出馬を促した。

 党内からは、ハン権限代行に「予備選挙特例」を適用しようという主張も聞かれる。党の大統領候補を選ぶ予備選挙の候補登録期間(14~15日)が過ぎ、第1回(21~22日)・第2回(27~28日)予備選に参加しなくても、党指導部の合意で本予備選(5月1~2日)に参加できるようにしようというものだ。ただし、同党のファン・ウヨ選挙管理委員長は「まだ考慮しているものはない」と一線を引いた。

 民主党のパク・チャンデ代表職務代行兼院内代表は、ハン権限代行に対し、「また妄想に陥った憲法破壊者を国民が大統領に選んでくれると期待しているのだとしたら、巨大な錯覚だ」とし、「世間のうわさどおり大統領の夢を見ているのなら、むなしい夢だから早く目を覚ませ」と述べた。

チャン・ナレ、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1191815.html韓国語原文入力:2025-04-10 17:27
訳D.K

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