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「憲法裁、これ以上遅らせると危機」…尹錫悦弾劾の遅れで市民の不安が最高潮

登録:2025-03-27 00:45 修正:2025-03-27 08:55
「尹錫悦退陣全国大学生時局会議」などの大学生青年団体の会員たちが25日、ソウル光化門前での民主労総の27日のゼネストを支持する記者会見の終了後、「尹錫悦罷免」などと叫びながら憲法裁判所まで三歩一拝をおこなっている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判の弁論が終了して1カ月たった25日にも、憲法裁判所は尹大統領の弾劾事件の言い渡しについて何ら公示しなかった。尹大統領の弾劾訴追日から100日が過ぎても結論が出ていないことで市民の不安は高まっており、迅速な言い渡しを求める声があがっている。憲法裁はこの日も、午後2時から裁判官評議をおこなった。別の事件の弁論や言い渡しがある日も、時間を割いて評議を続けている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾言い渡しが最後の弁論から2週間以内に行われたことと比較すると、「過去最長級の評議」だ。非常戒厳の宣布など、尹大統領の行為の違憲性、違法性は明白なため、全員一致による結論が予想されたものの、実際には裁判官が意見をまとめるのに苦労している、との分析が出てくる理由はここにある。

 前日のハン・ドクス首相弾劾事件の決定で、裁判官の意見が罷免、棄却、却下と割れたことで、市民の不安も高まっている。特にキム・ボクヒョン裁判官が、ハン首相による裁判官不任命は違憲ではないと判断したことが、懸念を高めている。保守的だと評されるチョン・ヒョンシク、チョ・ハンチャンの両裁判官にキム裁判官まで加わると、尹大統領の弾劾事件は罷免のための定足数(6人)が満たせなくなる。大学生のシム・ギュウォンさん(24)はこの日、ハンギョレの電話取材に対し、「(キム裁判官がハン首相による)裁判官の不任命を違憲ではないと判断したのは、常識的に考えて理解できない」とし、「8対0で弾劾されてこそ、その後の社会統合が早期に実現するはずなのに、昨日の決定文を読むと8対0が出ないかもしれないという気がして、このまま『(尹大統領の弾劾事件が)棄却されたら、これからどうなるのか』という不安も感じる」と話した。会社員のパク・チヘさん(37)も、「尹大統領は朴槿恵元大統領以上の違法をやらかしたのに、なぜこのように(憲法裁が決定言い渡しを)引き延ばしているのか分からない。本当にこのままでは弾劾が棄却されるのではないかと心配だし、ストレスがたまる」と述べた。Yさん(27)は「ハン・ドクスの弾劾審判より尹錫悦の弾劾審判の方が急を要するのに、本来は急を要することから処理すべきなのではないか。尹大統領の弾劾が棄却されたら2度目の戒厳をすることもありうるという気がして不安だ」と話した。

 憲法裁がこの日も言い渡し期日を通知しなかったことで、今週の言い渡しが可能な日は27日と28日だけとなった。憲法裁は月例定期宣告日の27日に、40件の憲法訴願について決定を言い渡す予定で、時刻は午後2時から午前10時へと繰り上げた。同日も評議が行われる可能性が高い。28日にも言い渡されなければ、結論は4月に持ち越される。ムン・ヒョンベ憲法裁判所長権限代行とイ・ミソン裁判官の退任日は4月18日だ。

 法曹界は、12・3非常戒厳後に崩壊した憲政秩序を憲法裁は尹大統領の罷免によって回復させなければならないとして、早期の言い渡しを求めている。「憲政回復のための憲法学者会議」は今月20日の緊急声明で、「憲法裁がこれ以上遅らせれば危機がさらに高まるだけだ。石橋をたたいて渡ろうとして、たたき過ぎて壊れてしまうと渡ることさえできなくなる。果敢な決断が必要な時」だとして、「尹大統領を直ちに罷免し、憲政を早急に回復しなければならない」と述べた。元憲法研究官の建国大学法学専門大学院のスン・イド教授は、「政治的対立を憲政秩序の中で解消し、それによって分裂した社会を早期に統合することが憲法裁判の主な機能であることを考慮すれば、憲法裁は審理を早急にまとめる必要がある」と語った。

オ・ヨンソ、コ・ナリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1188904.html韓国語原文入力:2025-03-26 05:00
訳D.K

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