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韓国国民の感じる社会対立、過去最高…「進歩と保守の対立が最も深刻」

登録:2025-03-04 08:58 修正:2025-03-04 09:57
保健社会研究院による昨年の社会統合実態診断調査
「尹錫悦即時退陣! 社会大改革! 第10回汎市民大行進」が先月8日午後、光化門一帯で行われ、参加者たちが尹錫悦大統領の弾劾を求めている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の国民が感じている韓国社会の対立の強さが昨年、過去最高水準だったことが分かった。特に進歩と保守などの理念的対立が最も深刻だった。

 3日に韓国保健社会研究院の報告書「社会統合の実態診断および対応策」を確認すると、昨年6~9月に3千人の成人に対して実施された「2024社会統合実態調査」で、韓国社会の対立の強さは4点満点で3.04点だった。国民の感じている社会対立の強さについての調査が開始された2018年以降で、最も高い値だ。

 2018年は2.88点、2019年は2.90点、2021年は2.89点と小幅に上下していたが、2022年には2.85点とやや低下。2023年は2.93点、昨年は3.04点と2年連続で上昇した。農漁村居住者と自身の所得水準を下層だと考えている集団で、相対的に社会対立が強かった。

 回答者は、社会対立の類型の中では「進歩と保守」などの理念的対立が最も深刻だと答えた。この類型は2018年には3.35点だったが、2023年3.42点、昨年3.52点と次第に上昇している。世代別に見ると中高年層で点数が高く、地域別に見ると農漁村居住者が高かった。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2023年から自由総連盟創立記念式や光復節の祝辞などで「韓国社会内部では反国家勢力があちこちで暗躍している」と理念対立をあおる発言を頻繁におこなったり、ニューライトであるとの疑惑が持たれている人物を独立記念館長に任命したり、陸軍士官学校の洪範図(ホン・ボムド)将軍の胸像を撤去したりと、社会的に物議を醸した出来事も、理念対立の深刻さに影響を与えたものとみられる。

 次いで地域(首都圏と地方)間の対立が3.06点で点数が高く、続いて正規労働者と非正規動労者(3.01点)、労使(2.97点)、貧富(2.96点)、大企業と中小企業(2.81点)の順だった。

 三権に対する信頼は、司法府、行政府、立法府の順で信頼度が高かった。司法府に対する信頼は、2014年の32.5%から昨年は43.65%へと着実に上がっている。行政府は2014年が35.1%、2021年には最高値の47.91%を記録したが、昨年は39.07%にまで下がった。立法府は昨年24.59%で、2014年(18.47%)より6ポイントほど上昇したものの、依然として20%台にとどまっている。

 社会統合実態調査は、国策研究機関である保健社会研究院が2014年から毎年実施している。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/1185032.html韓国語原文入力:2025-03-03 11:03
訳D.K

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