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小学生殺害した教員、犯行4日前に同僚暴行…パソコンを壊したりも=韓国

登録:2025-02-12 00:37 修正:2025-02-12 08:13
相次ぐ暴力で犯行当日「分離勧告」
10日に教員が校内で8歳の児童を刺殺する事件が発生した大田の小学校の正門前に、被害児童を追悼するメッセージの記されたはがき、花束、ぬいぐるみなどが置かれている。はがきには「痛みを忘れ、安らかに眠ってください。ごめんね」と記されている=チェ・イェリン記者//ハンギョレ新聞社

 今月10日、大田市西区(テジョンシ・ソグ)のある小学校で、同校の教員に凶器で刺殺されたキム・ハヌルさん(8、遺族の意思によって実名を掲載)は、放課後教室を終えて一人で出て、待機していた美術塾の車に向かう途中、加害教員に連れ去られて被害にあったことが分かった。

 大田教育庁は11日午前のブリーフィングで、この事件についてこれまでに把握している内容を発表した。大田教育庁のチェ・ジェモ教育局長は「10日午後4時30分ごろ、塾の車の運転手からの連絡を受けた放課後教室の教員が児童を2階の教室から送り出したが、10分後に運転手から教員に再び『子どもが下りてこない』と連絡が来た。親にも伝えた」として、「その後、学校の教員たちが児童を探し回ったが見つからず、午後4時50分ごろに学校から保護者に知らせ、保護者が警察に通報した」と説明した。同校は放課後教室に下校代行人が迎えに来ないときは児童が一人で代行人のもとに行くようにさせていたという。

 教育庁の説明によると、その後、学校に駆け付けた児童の両親と祖父母、警察、教職員が学校とその周辺を捜索。警察による位置追跡で児童の携帯電話が校内にあることを把握し、祖母が放課後教室の隣の2階の視聴覚室内の資材室で児童と教員のA氏(48)が倒れているのを発見した。

 警察が同校に向かっている間に視聴覚室の扉にはカギがかけられたが、警察が強制的に開けて中に入り、凶器で刺されて倒れているハヌルさんとA氏を発見。午後5時40分ごろにハヌルさんを病院に移送した。自傷行為に及んだとみられるA氏は、夫の現場到着後の午後6時15分ごろに病院に搬送された。ハヌルさんは心停止状態で病院に到着し、心肺蘇生法を受けたものの、同日の午後6時35分ごろに死亡が確認された。

 教育庁が明らかにした真相調査によると、A氏は昨年末、うつ病を理由に6カ月の病気休暇を申請し、12月9日から病暇休職に入っていたが、突如復職申請し、21日後の12月30日に復職していた。休職の前、A氏は2年生の担任をしており、復職後は教科担当として勤務していた。

 犯行前、A氏は今月5日に接続が遅いと言ってパソコンを壊すなど、暴力的になっていた。続いて6日には、電気の消えた教室に座っていたところ、「一緒に帰りましょう。それとも話をしましょうか?」と言って近づいてきた同僚の教員の手首をつかみ、首を絞めた。報告を受けた大田西部教育支援庁の奨学士たちは事件当日の10日午前、同校を訪問したが、A氏に対する対面調査も行わず、「年次休暇などでA氏を分離措置」することを勧告した。これを受けて同校はA氏に「教頭の隣の席での勤務」とする措置を取ったが、A氏がこの日午後に犯行に及ぶのを防止できなかった。

 チェ教育局長は「A氏はうつ病を理由に休職を申請する前にも、昨年頻繁に病気休暇を使っていたことが把握された。A氏が休職前に自身の苦しみなどについて校長や教頭に会って相談していたかは、さらに調査する計画」だと語った。

 この日のブリーフィングに先立ち、大田市のソル・ドンホ教育監は「不意の事故で亡くなった児童のご冥福をお祈りするとともに、悲しみと苦しみの中にあるご遺族も深くお慰め申し上げる。警察と協力して事故原因を綿密に把握するとともに、今後教育現場でこのような事故が二度と起きないよう、関連機関・団体などと共に対策を立てていく」と述べた。

チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/chungcheong/1181821.html韓国語原文入力:2025-02-11 14:04
訳D.K

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