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極右ユーチューバーの陰謀論そのもの…尹錫悦大統領の荒唐無稽な答弁書

登録:2025-01-17 01:51 修正:2025-01-17 08:10
尹錫悦、憲法裁への2度目の答弁書で責任転嫁、陰謀論 
「民主党は中国の財力で中国と北朝鮮の植民地にしようと」
内乱罪容疑者尹錫悦大統領が15日午前、漢南洞の官邸で、公捜処による逮捕令状の執行を前に、国民向け談話を発表している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 内乱を首謀した容疑で弾劾訴追された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が14日に憲法裁判所に提出した2度目の答弁書は、「責任転嫁」が中心となっている。違法な布告令はキム・ヨンヒョン国防部長官(当時)の誤り、軍と警察を国会に投入したのは野党「共に民主党」支持者の混乱を防ぐため、軍や警察の関係者たちの主張する「逮捕組が組織された」はうそだ、との主張だ。非常戒厳を宣布した背景については、民主党の独裁を防ぐとともに、不正選挙を捜査するためだったという「極右論者」たちの主張の書き写しだった。

 布告令1号は「国会などの政治活動を禁じる」という内容で、12・3非常戒厳で最も違憲的、違法的なもの。尹大統領はこのような布告令が発表された経緯について、自身も布告令を「字をいくつか修正」したものの、「キム・ヨンヒョン長官が国会解散権の存在した軍事政権時代の戒厳の例文をそのまま書き写し」たせいだと述べた。ただ、尹大統領自身も「文言の誤りを不注意で見過ごし」たため、正すことができなかったと付け加えた。

 しかし、布告令1号を単なるミスとした尹大統領の主張は、検察の捜査結果とは大きく異なる。キム・ヨンヒョン前長官の起訴状によると、キム前長官は尹大統領が非常戒厳を宣布する約1カ月前から布告令の草案を作成していた。

 国会に軍の兵力を大勢投入したのは、国会の非常戒厳解除要求決議を防ぐためではなく「秩序維持」のためだったという主張も展開した。尹大統領は答弁書で、「軍の兵力が国会のガラス窓を割って進入したことと、警察が市民を阻んだことは、興奮した群衆によって発生しうる流血状況を防ぐためのもの」だったとして、国会による権能行使を妨害したわけではないため、非常戒厳は内乱罪の構成要件である「暴動」にはあたらないと述べた。さらに尹大統領は、非常戒厳宣布の直後、共に民主党のイ・ジェミョン代表が支持者を国会に結集させたため混乱した状況が発生したが、「軍と警察による秩序維持で流血事態は起きなかったし、国会によって平和的に戒厳解除要求案の採決手続きが進められた」という居直った主張も繰り広げた。

 このような主張も、「尹大統領に国会議員たちを引きずり出せとか逮捕しろと言われた」という軍の主要関係者たちの供述と食い違う。しかし、軍の関係者たちの主張について尹大統領は、「(軍関係者たちは)野党の責任追及に対して責任を軽減してもらうために責任を押し付けている」として「虚構」だと反論した。

 この答弁書でも尹大統領は、極右ユーチューバーとそっくりな主張を繰り返した。尹大統領は不正選挙を非常戒厳の主な理由に掲げたが、「不正選挙の背後には中国がいる」という典型的な極右論者の考え方をそのまま持ち出した。尹大統領は、選管のサーバ管理がずさんだったという主張を展開しつつ、「電算システムの暗証番号『12345』は粗雑であるばかりでなく、中国の中央政府と地方政府の連結番号で、中国などの外部に解かせて入って来させるために作られたかのように、奇異な一致を示している」と記している。中国において12345は、韓国の119のような国家標準電話番号(国民苦情処理番号)だ。さらに尹大統領は、「民主党は議会権力を握るために選挙不正をためらわない反民主、反民族の集団」で、「中国の財力を押し立てて、この地を中国と北朝鮮の植民地にしようとしている」と主張した。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1178168.html韓国語原文入力:2025-01-16 07:00
訳D.K

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