「尹錫悦(ユン・ソクヨル)、キム・ゴンヒ夫妻の公認介入疑惑事件」を捜査する昌原(チャンウォン)地検の107ページにわたる捜査報告書が、オンラインメディア「ニュース打破」によってインターネットにて公開された。
韓国検察は「捜査報告書を訴訟以外の目的で流出することは違法行為であり、これを公開することも非常に不適切な行為に加担すること」だと批判した。これに対し、「ニュース打破」は「検察は物証を確保しておきながらも、尹錫悦夫婦を捜査しなかった理由を説明すべきだ」と反論した。
探査報道専門のインターネットメディアである「ニュース打破」は14日夜「容疑者ミョン・テギュンが尹錫悦大統領およびキム・ゴンヒ女史とやりとりした対話内容のスクリーンショットの検討ーカン・ヘギョン保管PC」という題名の昌原地検の捜査報告書をインターネット上で公開した。これに先立ち、「ニュース打破」は8日、検察捜査報告書を入手したとし表紙など一部内容を公開し、この日から報告書の内容を相次いで報道している。
同報告書は昨年11月4日、昌原地検の「尹錫悦・キム・ゴンヒ夫妻の公認介入疑惑事件」の主任検事が作成したものだ。報告書には「2024年9月30日カン・ヘギョン氏の住居地などに対する家宅捜索の際、カン氏が保管していたパソコンから確保したカカオトークのファイルなどを分析した結果、メッセージフォルダに6892個のイメージファイルがあり、ミョン・テギュン氏が2021年6月26日から2023年4月まで尹錫悦・キム・ゴンヒ夫妻とやりとりしたカカオトークとテレグラムの対話をスクリーンショットした写真280枚を確認した」と書かれている。
捜査報告書で言及されたコンピューターは、この事件の中心人物であるミョン・テギュン容疑者が使用して捨てたが、カン・ヘギョン氏がそれを保管していたものだ。
カン・ヘギョン氏の説明によると、2023年12月中旬にキム・ヨンソン国会議員室総括本部長として活動していたミョン・テギュン容疑者は「検察の家宅捜索に備えるべきだ」として、キム・ヨンソン国会議員室の職員らに携帯電話を変え、コンピュータも初期化して資料を全て削除するように指示した。慶尚南道選挙管理委員会が公職選挙法・政治資金法違反の疑いでカン・ヘギョン氏を昌原地検に告発し、ミョン・テギュン氏とキム・ヨンソン前議員などを捜査依頼した直後だった。
また、2024年1月3日慶南道選管委がキム・ヨンソン前議員の会計責任者を告発したという初めての報道が出た直後、ミョン容疑者はカン氏に自分がキム・ヨンソン前議員の事務室で使っていたコンピュータと帳簿を廃棄するように指示した。しかし、カン氏はコンピューターを捨てずに自分の乗用車のトランクに5日間保管し、自宅に持ち込んだ。自宅でパソコンの電源を入れた時、パソコンはすでに初期化され、保存していた資料を見ることができない状態だった。昌原地検は2024年9月30日、家宅捜索でこのパソコンを確保し、デジタルフォレンジックを経て保存内容を復旧した。
これについて昌原地検の関係者は「流出した捜査報告書はこの事件の被告人5人の弁護人がコピーしたもの以外は全く昌原地検の外部に出たことがない。最高検察庁など上部にも報告しておらず、昌原地裁にもまだ提出していない。調査を通じて昌原地検内部の誰も流出しなかったことも確認した」と語った。被告人5人の弁護人のうち、誰かが捜査報告書を流出したという意味だ。
この関係者はまた「被告人や弁護人が訴訟以外の目的で捜査記録を他人に交付または提示すれば刑事訴訟法(閲覧・謄写された書類などの乱用禁止)違反で1年以下の懲役または500万ウォン(約54万円)以下の罰金刑に処される。今回の事案は5年以下の懲役または5千万ウォン(約540万円)以下の罰金刑に処される個人情報保護法違反にも該当しうる」とし、「流出者から捜査報告書を受け取りこれを公開することも、非常に不適切な行為に加担すること」と付け加えた。
しかし「ニュース打破」は「検察がニュース打破を捜査すると脅している。もし昌原地検が家宅捜索をするなら、家宅捜索を受ける。全く恐れていない」とし、「それに先立ち、検察はこのように有力な物証を確保しておきながら、なぜ尹錫悦夫婦を捜査しなかったのか説明すべきだ」と反論した。