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ウクライナ「韓国が1億ドルの借款提供」…兵器支援慎重論強まるか

登録:2024-12-02 00:44 修正:2024-12-02 07:02
トランプの終戦論で兵器支援「検討」へと方向転換 
復興事業などの人道的支援が主力か
訪韓したウクライナのルステム・ウメロフ国防相が11月27日、キム・ヨンヒョン国防部長官と会談するため、龍山の国防部庁舎に到着した/聯合ニュース

 ウクライナ政府の特使団の訪韓後の先月29日(現地時間)、ウクライナ政府は韓国政府から1億ドルの借款の提供を受けたことを明らかにした。先に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が約束した人道支援の予算を執行したものだが、ウクライナへの兵器支援の可否を検討してきた政府が、ひとまずは復興事業の支援などの人道支援に注力するとの意思を示したものと解釈される。

 ウクライナのデニス・シュミハリ首相は先月29日、自身のX(旧ツイッター)に「ウクライナは韓国から1億ドルの支援を受けた。社会分野を支援するための韓国の初の予算支援だ。全面戦争中のウクライナに支援した韓国政府に感謝する」と投稿した。シュミハリ首相は、今年初めに最大で21億ドルの支援を受ける協定を韓国と結んだことにも触れた。

 シュミハリ首相の発表は、先月27日にウクライナの特使団が戦争支援を要請するために訪韓し、尹大統領およびキム・ヨンヒョン国防部長官と会談した後になされたという点で、関心を集めている。特使団の訪問時、ウクライナの望んでいる兵器支援について特に言及しなかった韓国政府が、借款支援で回答に代えたのではないかという観測が示されている。

 大統領室は、今回の借款支援は先に発表したウクライナ支援計画の後続措置だと語った。大統領室の関係者は1日、ウクライナへの1億ドル支援について「昨年7月のゼレンスキー大統領との首脳会談後に尹大統領が支援を表明した対外経済協力基金」だと語った。尹大統領は昨年7月15日、ウクライナのキーウでゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、「両首脳は韓国の安保支援、人道支援、復興支援を包括する『ウクライナ平和連帯イニシアチブ』を共に推進していくことで合意した」と発表し、その際に借款支援計画などを明らかにしている。

 今年4月には、チェ・サンモク経済副首相兼企画財政部長官が米国で開かれた第5回ウクライナ支援会議に出席し、中長期的に21億ドル規模の対外経済協力基金(EDCF)をウクライナに執行することを表明している。EDCFは発展途上国の経済・産業の発展を支援するために、長期かつ低利で貸し付ける資金だ。10月には韓国輸出入銀行がウクライナ政府と1億ドルの借款提供契約を結んでいる。借款の条件は20年満期、猶予期間は5年で、利子率は年1.0%。

 尹大統領は以前、北朝鮮軍のロシア派兵が確認された後、殺傷兵器や防空兵器の支援を検討すると表明したが、「ウクライナ即時終戦」を望んでいる米国のトランプ政権の発足を控え、近ごろは慎重な立場へと方向転換している。大統領室は先月27日の尹大統領とウクライナ特使団の接見後、兵器支援について議論されたかについては言及せずに、「米国のバイデン政権とトランプ次期大統領側がウクライナ事態に関して『ワンチーム』として対応しているだけに、米国と緊密に意思疎通しつつ協力していくことにしている」と述べるにとどまっている。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1170107.html韓国語原文入力:2024-12-01 15:16
訳D.K

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