トランプ2.0時代を迎え、ソウル大学国家未来戦略院(キム・ジュンギ院長)所属の米中関係タスクフォースチームは、「共同回復弾力性(Towards Co-Resilience):米中競争時代、米国と韓国は共同で何ができるか」と題する報告書を発表した。
米大統領選挙後の米国新政権の政策に備え、タスクフォースチームはこの6カ月間、ソウルとワシントンで前・現職の官僚、企業家、専門家との深い討論や議論を経て、対中国戦略に対する新たな視点と9つの具体的な韓米協力方策を導き出した。
研究責任者を務めたソウル大学政治外交学部のソン・インジュ教授は、この報告書は米国のトランプ政権と政策界に対して韓国の立場と戦略を先制的に提案するという意味があると強調した。不確実なトランプ政権の政策に受動的に対応するのではなく、韓国が韓国の立場から米国の政策言説に積極的に影響を与えるという報告書を指向したという。報告書は英文で発行され、米国の政策エリートたちに対して、米中競争の中で韓国はもはや一方的に影響を受けるばかりの対象ではなく、その競争の展開と結果に影響を与えうる力と責任があると強調する。今月25日午後10時(米国東部時間午前9時)にはオンライン会議(Webinar)が開催され、ソウル大学国家未来戦略院と米国戦略国際問題研究所(CSIS)が共同でこの報告書を発表し、討論を行う。
同報告書は米国の次期政権に「共同回復弾力性戦略(Co-Resilience Strategy)」を提案している。9つの具体的な政策も提案している。米国と韓国の「造船同盟」による戦闘艦の作戦能力の強化、コストの節減、人工知能(AI)研究での協力に向けた「多国間AI研究所」の設立などだ。米新政権に対して、北朝鮮との非核化交渉の再開と、ロシアおよび中国との核軍備規制交渉の並行を提案してもいる。
まず、米国が北朝鮮との交渉再開を提案し、同時に韓国、北朝鮮、米国、中国の4カ国による対話を呼びかける。北朝鮮の非核化については、協力、競争、対立が絡み合う複雑な米中関係の中で、米国は中国と協力しうる議題を提供できると述べている。核の平和利用と核拡散防止条約(NPT)の原則の下、韓国の使用済み核燃料の再処理を承認することで、核燃料のロシアへの依存度を低下させるとともに、原発輸出協力などの韓米核協力を増進しようとも提言している。
報告書はソウル大学未来戦略研究院のウェブサイトで全文が閲覧できる。同ウェブサイトからCSISとのオンライン会議の参加も申請できる。