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「9・19合意の形骸化は朝鮮半島平和の死亡宣告…北朝鮮問題の政治的利用は浅はか」

登録:2024-06-06 05:55 修正:2024-06-06 08:40
文政権の大統領府参謀出身議員22人が立場表明
2018年9月19日、北朝鮮平壌の百花園迎賓館でソン・ヨンム国防部長官(前列左)と北朝鮮のノ・グァンチョル人民武力相が軍事分野合意文の署名式後、記念撮影のため合意文を掲げている。後ろで文在寅大統領と金正恩国務委員長が拍手している=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に大統領府参謀出身の野党「共に民主党」議員たちが、政府の9・19軍事分野南北合意書(9・19軍事合意)の効力停止措置について、「朝鮮半島平和に死亡宣告を下した」と批判した。

 文在寅政権の参謀出身議員22人は5日に立場を発表し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の9・19軍事合意の効力停止について、「大韓民国の平和を守るために心構えを新たにしても足りない時に、朝鮮半島の平和に死亡宣告を下してしまった」と批判した。9・19軍事合意は2018年9月19日、文在寅大統領(当時)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が首脳会談で採択した「9月平壌共同宣言」の付属合意書で、軍事境界線一帯の相互敵対行為の中止などを主な内容としている。

 民主党議員たちは「(北朝鮮の)GPSかく乱と汚物風船の散布は大韓民国国民が直接被害を受ける恐れがあるという点で、重大な事案であり、糾弾されて当然だ」としながらも、「ところが、これに対して尹錫悦大統領は対話を通じて南北の緊張感を解消しようとするそぶりさえ見せず、『9・19軍事合意の全面的な効力停止』という急発進を選んだ」と批判した。このような政府の措置が「南北間軍事衝突の可能性を越え、朝鮮半島をいつでも戦争が起こり得る場所にするという宣言に他ならない」と主張した。

 さらに「尹錫悦大統領は今からでも直ちに9・19軍事合意を復元し、南北間の緊張解消のために最善を尽くしてほしい」としたうえで、「万一このような措置がいわゆる『北風(北朝鮮問題)』を利用して朝鮮半島で戦争の不安を高め、極右支持層を結集させ現在窮地に追い込まれた政治的状況を突破しようとする浅はかな手ならば、国民がその責任を問うだろう」と述べた。

 尹錫悦大統領は4日、「9・19軍事合意全面的な効力停止案」を裁可した。尹大統領はこの日、韓国・アフリカ首脳会議の開会の辞で、北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げと汚物風船の散布について「極めて非常識な挑発だ」と批判した。

イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1143542.html韓国語原文入力:2024-06-05 11:04
訳H.J

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