本文に移動

9・19軍事合意の効力停止は「政権危機の回避用」…韓国野党、強く反発

登録:2024-06-05 07:27 修正:2024-06-05 08:47
尹錫悦大統領が4日、2024韓国・アフリカ首脳会議の会場で開かれた開幕式に参加し、開会のあいさつをしている/聯合ニュース

 最大野党「共に民主党」など野党各党は4日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が9・19南北軍事合意の効力を停止したことは「政権危機の回避用」だと一斉に批判した。

 共に民主党のパク・チャンデ院内代表は、この日の党院内対策会議で、9・19軍事合意の効力停止は「問題を解決するどころか、朝鮮半島の緊張感を高めて政権が直面している危機から逃れようとする悪い対策」だとし、「休戦ラインから高射砲弾が飛んできた時代に戻ろうというのか」と批判した。祖国革新党のファン・ウンハ院内代表も、この日の党議員総会で「(政権に対して)冷え切った民意を、誘導された北風で突破しようとする意図だ。国民の生命と支持率をめぐって行われる危険千万な賭け」だとし、「努力して作り上げた平和を壊してまで尹政権が得ようと思っているものが、単に支持率を上げることならば、国民に対する反逆だ」と述べた。

 野党は、9・19軍事合意の効力停止で南北間の武力衝突の可能性が高まることに懸念を示した。共に民主党の国防委員会所属の国会議員らはこの日、文書で立場を表明し、「(9・19軍事合意で)緩衝区域(敵対行為禁止区域)を海上と空中に拡大した後は、南北間の意図的・偶発的な衝突は大幅に減った。9・19軍事合意は、境界に隣接する地域の武力衝突を予防するための最小限の安全弁」だとし、「これを破棄すれば、休戦ライン一帯の緊張はよりいっそう強まり、北朝鮮の挑発の可能性はさらに高くなる」と指摘した。正義党のクォン・ヨングク代表は書面の立場表明で、「9・19軍事合意全体を効力停止させたことは、軍事的緊張の高揚と対決を宣言し、朝鮮半島の平和を放棄する危険千万な措置」だとし、「(尹錫悦政権は)9・19軍事合意の効力停止措置を撤回し、南北対話再開のための多角的な努力をすると宣言せよ」と求めた。

 一方、与党「国民の力」は、9・19軍事合意の効力停止の決定を歓迎し、北朝鮮の「挑発」行為を糾弾した。国民の力はこの日、「議員一同」名義で声明を発表し、「9・19軍事合意の全条項に対して効力を停止することにした決定を歓迎する」としたうえで、「北朝鮮の非常識かつ幼稚な挑発行為に対して強く糾弾し、今後これから発生するすべての事態については、北朝鮮当局が責任を負うことを厳重に警告する」とした。

カン・ジェグ、イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1143444.html韓国語原文入力:2024-06-04 19:52
訳M.S

関連記事