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三星 白血病…‘環境手帳’は知っていた

原文入力:2010-05-17午前09:26:27(1698字)
<ハンギョレ21>三星半導体工場 環境手帳 入手
器興工場 発ガン物質だけで6種 危険物質 40種余り 使用

←<ハンギョレ21>が入手した三星電子半導体工場の環境手帳。この手帳の‘工程別環境影響因子’目録には50種余りの化学薬品とガスなどが記されている。<ハンギョレ21>提供

三星電子半導体工場で6種類の発ガン性物質と40種余りの刺激性危険物質が使われていたことを示す内部用‘環境手帳’が公開され、‘白血病労災’論難が大きくなっている。

17日に発売された<ハンギョレ21>(811号)は三星半導体器興工場で工程管理業務を担当するエンジニアに支給された環境手帳を入手し、‘工程別環境影響因子’目録に出てくる化学薬品・ガス50種余りの有害性有無をユン・チュンシク ソウル大保健大学院教授、チェ・サンジュン大邱カトリック大教授(産業保健学)等の専門家チームを通じて分析した。この環境手帳は機密に分類されており、社外流出が禁止されたものだ。

分析の結果、半導体工場ではトリクロロエチレン、シンナー、感光液、ジメチルセトアミド、アルシン(AsH3),硫酸(H2SO4)等、6種の発ガン性物質が使われていたことが分かった。‘洗浄・蝕刻’工程で使われたトリクロロエチレンは白血病、非ホジキンリンパ腫、乳癌などを起こす恐れのある物質だ。同じく洗浄・蝕刻工程で使われたジメチルセトアミドも発ガン性物質で、不妊・流産などを誘発する。洗浄作業は三星半導体器興工場3ラインで働き2007年3月に急性白血病で亡くなったファン・ユミ(23)氏が行っていた仕事だ。

‘写真’工程に使われる感光液には、発ガン性物質である重クロム酸塩とベンゼンが含まれている。重クロム酸塩は皮膚に触れればアレルギー性反応を起こし、喘息を誘発する。ベンゼンは白血病などを誘発する代表的発ガン物質だ。
この他にハイドロキノンとメタノールなど生理不順や不妊、不眠、錯乱などを誘発しかねない刺激性物質40種余りも環境手帳を通じて確認された。

これまで三星半導体工場とLCD工場などで仕事をして癌や発症率の極めて低い疾患にかかったとし、人権団体‘半導体労働者の健康と人権守り 四捨五入’に助けを要請した人々は47人に達する。コンユ・ジョンオク産業専門医は 「家族病歴がなく元気だった若者たちが癌にかかったが、これらが仕事をした工場でこのように色々な発ガン性物質を使っている事実が確認されたとすれば業務上疾病である可能性が大きい」と話した。

これに対し三星電子関係者は「トリクロロエチレンはかつて、温陽事業場で使ったことがあるが、95年に代替物質を開発した以後には使っていないとし、ジメチルセトアミドも現在使用している物質ではない」とし「トリクロロエチレンを除く残り5種の化学物質は国内基準では発ガン物質や使用禁止物質ではないが、グローバル基準では発ガン物質と規定する場合もある」と明らかにした。三星側は続けて「半導体生産現場には化学物質流出を基本的に遮断する安全装置が2重、3重に施設されており、作業者に露出しない」と弁明した。

しかし三星電子器興工場でエンジニアとして仕事をして辞めたキム・某氏は「化学物質が漏れ出れば警報音が鳴らなければならないが、警報音が鳴らずにエンジニアだけで文字メッセージを通じて知ってやり過ごす場合が多かった」と話した。器興工場で10年以上 仕事をしたまた別のエンジニアも「生産量競争をさせるので、やむを得ず安全装置(インターロック)を解除して仕事したことが多く、有機溶剤とガス漏出事故も少なくなかった」と明らかにした。

イン・ジソン<ハンギョレ21>記者 sun21@hani.co.kr, ホ・ジェヒョン ハニTV記者 catalunia@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/421088.html 訳J.S