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へその緒を付けたまま、ゴミとして捨てられた6匹の子犬=韓国

登録:2024-05-23 07:26 修正:2024-05-23 08:10
[アニマルピープル] 
20日、泰安海水浴場の近くで発見 
6匹のうち2匹は22日午後に死亡 
泰安動物保護協会「ペット犬の避妊手術は必須」
20日、忠清南道泰安郡のある海水浴場の近くで生まれたばかりの子犬6匹がビニール袋に入れられ捨てられていた=泰安動物保護協会提供//ハンギョレ新聞社

 忠清南道泰安郡(テアングン)のある海水浴場の近くで、へその緒の付いた子犬6匹が、空の焼酎瓶とともにビニール袋に入れられ捨てられていた事件が発生した。ある住民からの連絡で動物保護団体が救助したが、救助2日後に2匹は死んだ。

 22日の泰安動物保護協会の説明を総合すると、子犬たちは20日、泰安郡安眠邑(アンミョンウプ)のセッピョル海水浴場の近くで発見された。通りがかった町の住民が子犬の鳴き声を聞いてビニール袋を開けてみると、へその緒が付いている子犬6匹が空き缶や焼酎瓶などと一緒に捨てられていた。住民はこのことを協会に伝え、子犬たちは協会のシェルターに移された。子犬たちは生まれたばかりで捨てられ、この日時点で生後3~4日程度と推定された。

泰安動物保護協会提供//ハンギョレ新聞社

 救助当日、協会は団体の公式ウェブサイトでこの事件を伝え、子犬たちの臨時保護者ともらい手を募集する通知を掲載した。協会は「子犬を発見した住民は地方自治体の捨て犬の保護施設に送ろうとしたが、保護施設に送らずに私たちに引き渡してほしいと伝えた」として、「保護施設では、どんなに幼くても(保護者が現れなければ)10日後に安楽死させられるので、当面は粉ミルクを飲ませて(保護した後)、飼い主を探したかった」と明らかにした。あわせて「子犬たちの臨時保護所を必死に探している。1カ月ほどたてば自分で粉ミルクも飲み、離乳食も食べられるので、それまで預かってもらえるなら、責任をもって飼い主を見つける」とした。

 協会は、野良猫の避妊手術などの動物保護活動のために昨年結成された小さな団体で、公式ウェブサイトにこの件を掲載した協会関係者と個人活動家の2~3人しかいない。すでに野良猫のシェルターを運営していており、子犬たちを長期間保護することは難しい状態だという。

 協会関係者はこの日、ハンギョレに「(遺棄当時)ビニール袋の上部分が縛られていて、子犬たちを初めて協会に連れてきた時、チアノーゼ(呼吸がうまくできず皮膚が青っぽく変色すること)と低体温の症状があった」として、「体をマッサージして温め、安定を取り戻したようにみえたが、今日午後に2匹が死んでしまった」と語った。残りの4匹は臨時保護者に名乗り出た市民の家に移された。

泰安動物保護協会に引き渡された後の子犬たち=泰安動物保護協会提供//ハンギョレ新聞社

 公式サイトに通知を掲載してから2日で、協会には飼い手と臨時保護の問い合わせが20件以上来たという。協会は子犬たちを外飼いはなく室内犬として育て、最後まで責任を持って飼える人を慎重に選んで送り出す考えだ。

 協会関係者は「今でも泰安のような田舎の地域では、犬を短いリードにつないで屋外犬として育てたり、畑を守る番犬にする場合が多く、計画外で生まれた子犬は遺棄されるのが現実」だとしたうえで、「田舎の犬の避妊施術事業に対する地方自治体の予算支援などが急務だ」と述べた。

 協会は、子犬の遺棄行為などを動物虐待とみて、21日に警察に捜査を依頼した。警察はビニール袋や空き瓶などを証拠物として収集し、指紋鑑識を進めるなどして捜査に着手した。しかし、遺棄場所に設置された監視カメラが模型だったため、捜査は難航している。現行の動物保護法は、正当な理由なしに動物を死に至らしめる行為を動物虐待とみて、3年以下の懲役または3000万ウォン(約340万円)以下の罰金に処する。ペットの遺棄も動物虐待にあたり、300万ウォン(約34万円)以下の罰金に処される。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/companion_animal/1141603.html韓国語原文入力:2024-05-22 17:46
訳M.S

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