「防弾少年団(BTS)を愛する気持ちでHYBEの株まで買ったファンたちが集まりました。株主行動以外にHYBEとコミュニケーションを取る方法が見当たりません」(BTSファンのSさん)
HYBEと子会社であるADORの経営権紛争が激化する中、様々な疑惑が取りざたされ、BTSにまで飛び火したことを受け、ファンたちが所属事務所のHYBEに抗議する団体行動に出た。BTSのCD買い占めや所属事務所のカルト宗教関連疑惑など、さまざまな疑惑が悪性デマの形で広がっているのに、HYBEがまともに対応していないというのがファンたちの主張だ。彼らは所属事務所のアーティスト保護、ファンとのコミュニケーションなどを求め、葬儀用の花輪やトラックデモから少数株主運動まで行う計画だ。
「ARMY(BTSのファンクラブ名)少数株主運動」を主導しているSさんは6日、ハンギョレに「現在、ハイブ内の経営陣間の紛争でBTSまであらゆるデマで被害を受けている状況」だとし、「BTSは2022年のHYBEの売上の60~65%を占めるなど企業の中心軸となるIPであるにも関わらず、所属会社は『コピペ』レベルの(流布者に対する)告訴の警告を出すこと以外に実効性のあるアーティスト保護措置を取っていない」と話した。
現在70人余りのHYBE少数株主が集まった「ARMY行動主義」の会は、少数株主連帯専用のプラットフォームを活用してデマの拡散防止、ファンとの積極的コミュニケーションなどを求める株主書簡をHYBEに送る計画だ。株主提案の条件である持分1%が確保されれば、株主総会で理事に議題を提案できる株主提案権も行使する計画だ。
3日からはソウル龍山区のHYBE本社前に「立場発表を要求しても無応答、死んでしまったのですか」、「絶え間ないオーナーリスク、BTSの脱HYBEを願う」などと書かれた葬儀の花輪や、「アーティスト保護策取らず、黙りこくったあげくに出てきたのはコピペの告訴警告?無能で無関心だ」などの文章が流れるデモトラックが登場したりもした。
このデモを企画したKさん(26)らはハンギョレにソーシャルメディアのX(旧ツイッター)を通じて送ったメッセージで、「四半期ごとに所属事務所が法的対応に関するお知らせを掲載するが、誰がどのような処罰を受けたのか、現在どのような手続きが進められているのかについて、詳細な内容がなく、会社の法的対応についてファンは何も分からない状況」だとし、「今回の経営権紛争と関連してBTSに対するさまざまなデマが出回ったが、所属事務所が具体的に説明する立場を表明しておらず、状況がさらに悪化しているため、花輪やトラックデモ、新聞広告の掲載などの行動に打って出た」と語った。
デモを企画したファンたちは、所属アーティストのデマに対する速やかな法的措置と周期的な進行過程の共有▽数年間悪性デマの温床地になった「DCインサイド」のBTSギャラリーの閉鎖▽第三者告発を認めることなどを要求している。現在はファンが告発を行っても、被害当事者のBTSなどによる捜査機関での陳述と出席などのためには、所属事務所が乗り出さなければならないが、HYBE側は第三者告発に対する協力はしないという立場だ。Kさんは「むしろファンが素早く実質的な法的対応ができるようにしてほしい」と語った。現在、BTSのファンダム内では2次デモに向けた議論も行われている。
海外ファンたちの抗議も相次いでいる。文化体育観光部がBTSのCD買い占め疑惑などに対する取り調べに乗り出したことを受け、海外のファンたちは5日からXに「韓国の地位を高めたBTSが誹謗されている」とし、「SOUTH KOREA APOLOGIZE TO BTS(韓国はBTSに謝罪せよ)」というハッシュタグを付ける運動を行っている。