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気候関連災害の被害が最も大きいアジア…世界平均より温暖化が速い

登録:2024-04-24 06:01 修正:2024-04-28 22:41
世界気象機関「2023年アジア気候現況報告書」 
一部地域の海洋温暖化、世界平均に比べて3倍も速い
昨年8月9日、ソウル冠岳区付近のあるマンションの半地下が前日の大雨で浸水され、一家3人が閉じ込められて死亡した事故現場で、排水作業が行われている/聯合ニュース

 世界気象機関(WMO)が昨年に気候変動に伴い起きた災害の最大の被害地域としてアジアを挙げた。

 WMOは23日、「2023年アジアの気候現況報告書」を発表し、「アジアが気候関連災害によって世界で最も大きな被害を受けた地域であることが分かった」とし、「洪水と暴風による死傷者と経済的損失が最も大きく、猛暑の影響はさらに深刻になった」と明らかにした。

 気候関連災害に直接影響を受けたアジア人は900万人を超えることが分かった。報告された全災害による死亡者は2000人を超え、このうち60%以上が洪水と関連したものだった。

 最も人命被害が大きかった地域はインド、パキスタン、ネパールで、これらの地域では6月と7月の洪水と暴風による自然災害で少なくとも599人が死亡した。韓国も被害が集中している地域に挙げられた。報告書は「夏の豪雨と洪水により韓国で少なくとも40人の死亡者が発生した」と明らかにした。

 WMOは「アジアは世界平均よりさらに速く温暖化が進んでおり、1961~1990年以後、温暖化の傾向がほぼ2倍に強まった」と分析した。昨年、アジアの地表付近の温度(地表から1.2~2メートルの間の温度)の年平均値は過去2番目に高かったことが分かった。1991~2020年の平均より0.91度、1961~1990年の平均より1.87度高かった。この過程で多くの地域で猛暑を記録し、インドでは4月と6月の熱中症による死亡者が110人余りに達したほか、中国では全国気象観測所の約70%から40度を超える記録が出た。

 海における温暖化はさらに深刻だった。昨年、北西太平洋の地域の平均海面温度は史上最高値を記録し、アラビア海の北西部、フィリピン海、日本の東側の海では、全世界の平均より3倍以上速いスピードで表層海洋(0~700メートル)の温暖化が進んだ。特に北太平洋とアラビア海東部などでは海洋熱波(Marine Heatwaves:急激に海水温が上昇する現象)まで発生し、3~5カ月持続したこともあった。

 WMOのセレスト・サウロ事務局長は「アジア地域の多くの国が2023年に日照りと猛暑、洪水、暴風など極限状況と共に記録上最も暑い年を経験した」としたうえで、「気候変動がこのような事件の頻度と深刻性を悪化させ、社会、経済、最も重要な人間の暮らしとわれわれが生きる環境に深刻な影響を及ぼした」と述べた。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1137796.html韓国語原文入力:2024-04-23 20:21
訳H.J

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