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[記者手帳]G7サミットに招待されなかった尹大統領…米日に偏った外交の素顔

登録:2024-04-22 07:28 修正:2024-04-22 10:52
韓国がG7首脳会議の第一歩を踏んだ2020年以降 
招待されなかった2回はすべて尹大統領の任期中
尹錫悦大統領と日本の岸田文雄首相、米国のジョー・バイデン大統領(右から)が2023年5月21日、日本の広島で主要7カ国首脳会議(G7サミット)をきっかけに行われた韓米日首脳会談に先立ち対話をしている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、6月13~15日にイタリア南部プーリア州の小さな村であるファサーノで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に招待されなかったという事実が、19日のマスコミの報道で初めて明らかになると、激しい反応が広がっている。「共に民主党」や祖国革新党などの主要野党が書面で批判の論評を行い、大統領室と外交部は「珍しいことではない」とする趣旨の説明資料をメディアにばらまいた。

 北朝鮮問題や米国、中国、日本、ロシア関連の外交政策の方向についての政府・与党と野党の攻防は珍しくない。しかし、G7サミットへの参加をめぐる与野党間の攻防は、これまで一度もなかった。初めて起きた事態だ。

 大統領室と外交部が休日である土曜日の午後10時頃に説明資料を出した事実が、この問題の敏感さを示している。政府は「G7サミットの招待国は、毎年議長国の関心の議題によって選ばれており、今年の議長国であるイタリアは、自国内の移民問題に関連するアフリカと地中海の問題を中心に対象国を選定した」としたうえで、「一例として、2011年のフランス、2015年のドイツ、2017年のイタリアの場合、すべての招待国はアフリカ諸国だけで構成された」と明らかにした。「偽りの説明」ではない。しかし、「真実」でもない。2022年の議長国だったドイツは、アフリカ大陸にないインドは招待し、韓国を呼ばなかった。その事実を隠したことが代表的なものだ。

 今年の議長国であるイタリア政府は、どのような国を招待するのかについて、現時点では公式に発表してない。ただし、チュニジア、ケニア、アルジェリア、南アフリカ共和国を招待する計画だというロイター通信の報道は、尹錫悦政権の説明を裏付ける。しかし、尹錫悦政権は、イタリア政府がインド、ブラジル、アルゼンチンなど「アフリカと地中海の外の」国家も招待する計画だという事実には触れなかった。「苦しい弁明と粗雑な言い訳」(共に民主党のカン・ソンウ報道担当の書面論評)だとする鋭い批判が出てきた背景だ。

 事実上「先進国クラブ」と呼ばれるG7(米国・英国・フランス・ドイツ・カナダ・イタリア・日本)の首脳会議と大韓民国の縁は長くはない。2020年の主催国である米国のドナルド・トランプ大統領が、G7をG11またはG12に拡大したいとして、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を正式に招待したことが初めてのことだ。2021年の議長国である英国のボリス・ジョンソン首相も文大統領を招待した。尹錫悦政権が発足した直後の2022年6月26~28日に開かれた第48回会議の議長国であるドイツのオラフ・ショルツ首相は、尹大統領を招待しなかった。2023年の議長国の日本の岸田文雄首相は尹大統領を招待した。

 要約すると、韓国がG7サミットの第一歩を踏んだ2020年以降の合計5回のうち、招待されなかった2回は、いずれも尹大統領の任期中である2022年と2024年だ。これまで尹大統領の任期中に行われたG7サミットのうち、日本は韓国を招待し、欧州の国家であるドイツとイタリアは韓国を招待しなかった。韓国が出たり入ったりする間、インドは一度も外されることなく招待された。「米国と日本中心の一方的な外交路線によって、大韓民国の外交の運動場が大幅に減ったため」だとする野党の批判(祖国革新党のキム・ジュンヒョン当選者による書面論評)でなくても、ドイツ・イタリア両政府の選択から「価値中心外交」を主張して米日に「全賭け」してきた「尹錫悦式偏り外交」に対する冷ややかな視線を感じるというの言い過ぎだろうか。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1137464.html韓国語原文入力:2024-04-21 21:14
訳M.S

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