今年の蚊の本格的な活動時期が2カ月ほど早まった。地球温暖化などの影響で気温上昇の時期が早くなり、蚊の繁殖活動も活発になったことによるものだ。韓国の気候が暖かく湿った亜熱帯気候にますます近づく様相を呈しており、熱帯地方で主に蚊を媒介に広がる「デング熱」などの伝播の可能性に対する懸念も高まっている。
疾病管理庁は、「コガタアカイエカ」の発生が相次ぎ、先月30日、全国に「日本脳炎注意報」を発表した。コガタアカイエカは、イエカの中で最も一般的な種で、疾病管理庁は他の蚊に比べて越冬を早く終えるこの蚊が最初に採集される時期を、その年の蚊の活動開始時期とみている。
この蚊は通常、気温が低くなる11月第2週から成虫状態で越冬に入り、気温が13度以上に上がる5月末頃に本格的な活動を始める。しかし、ここ10年で発生時期が3月末から4月初めまで早まっている。特に2020年以降は、2022年(4月11日)を除き、コガタアカイエカが3月末から姿を現している。
これは気候危機の影響などで気温が上昇したことによるものだ。実際、14日のソウルの昼の最高気温は27度まで上がると予報されるなど、平年より暖かかった冬に続き今春も平年より高い気温を記録している。完新世生態保存研究所のイ・ガンウン所長は「蚊だけでなくセミヤドリガ、シタベニハゴロモなどの害虫も越冬して目覚める時間が早くなっている」とし、「蚊など害虫の一代が長くなるだけに、産卵回数も増え被害が大きくなるだろう」と語った。
蚊の活動時期が早まり、蚊を媒介としたウイルス疾患の拡散に対する懸念も高まっている。特に地球温暖化が続いた場合、最近北米地域を中心に広がっている「デング熱」が国内に土着化する可能性もあると、専門家たちは指摘している。デング熱は高熱を伴う急性熱性疾患で、デングウイルスを持っている蚊に人が刺される過程で伝播される。特に韓国にも生息する「ヒトスジシマカ」も媒介蚊の一つに挙げられる。
高神大学のイ・ドンギュ教授(保健環境学)は「(デングウイルスが土着化するには)吸血を通じてデングウイルスを持っている成虫が翌年1月まで生きていなければならないが、現在韓国の1月の平均気温が低いため、ほとんどが死ぬ」としながらも、「温暖化が続き、韓国の1月の平均気温が10度以上になれば、蚊が生き残って土着化する可能性もある」と語った。これと関連して、気候分類学上、亜熱帯圏に属する済州道の今年1月の平均気温は7.8度で、10度に近づいている。