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人類最大のリスク…世界は「異常気象」、韓国は「景気後退」を挙げた

登録:2024-01-22 06:48 修正:2024-01-22 08:10
世界経済フォーラムの専門家1490人調査
ゲッティイメージバンクより//ハンギョレ新聞社

 全世界の各界の専門家たちが「2024年人類の最大のリスク」として気候変動を挙げたことが分かった。昨年の同じ調査では戦争による「生活費危機」が1位だった。

 世界経済フォーラム(WEF・ダボス会議)が最近発行した「グローバルリスク報告書2024」によると、「異常気象」が今年最も強力で広範囲な破壊力を持つリスクに挙げられた。昨年4~8月、全世界の専門家1490人が2024年に迫る34種類の地球規模のリスクのうち複数選択した結果だ。今年と短期(2~5年)、長期(5~10年)など各期間によるリスクを選んだ結果、「異常気象」はそれぞれ1位、2位、1位となった。昨年はロシアとウクライナ戦争による「生活費危機」が「今年のリスク」だったが、今年は昨年2位だった「異常気象」が1位に上がったのだ。さらに2位のリスクは「人工知能(AI)による誤報と偽情報」であり、「社会の二極化」が3位だった。「生活費危機」と「サイバー犯罪やサイバーセキュリティ―対策の低下」はそれぞれ4位、5位に選ばれた。

 長期のリスクでは1位から4位までがすべて気候環境問題だった。2位が「地球システムの危機的変化」、3位が「生物多様性の消失と生態系の崩壊」、4位が「天然資源不足」だった。

 環境問題以外には「AIによる誤報と偽情報」や「AI技術がもたらす悪影響」、「サイバーセキュリティ」のような技術的な問題と「社会の二極化」、「非自発的移住」のような社会問題が重要に挙げられた。

世界で各界の専門家1490人が選んだ短期(2年)および長期(5~10年)のグローバルリスク1~10位。緑色が環境分野のリスク//ハンギョレ新聞社

 報告書では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動シナリオにより2030年代初めに地球の温度が「1.5度の臨界点」を突破するとの見通しが示された。それと同時に数多くの災害と地球レベルの生態系の崩壊が発生すると予想された。サンゴ礁の群落破壊による津波被害の深刻化、海水面の上昇と気候難民、異常気象の急増と農業生産量の縮小、慢性的な貧困と紛争などの問題が起きると予想された。報告書は、気候変動は「静かに進行し影響力が長期間にわたり蓄積されるが、その影響は食糧、水、保健、安全保障全体に影響を及ぼす」とし、「その影響を過小評価し、過度に不確実だと無視すれば、気候に対する統制力を完全に失う恐れがある」と説明した。

 一方、主に韓国開発研究院(KDI)の研究員たちで構成された韓国の回答者たちは、34のリスクのうち、主に景気後退、家計負債、資産バブルの崩壊、労働力不足、資産および所得不平等、インフレなどをグローバルリスクに挙げた。

世界経済フォーラム(WEF)が発行した「グローバルリスク報告書2024」の表紙//ハンギョレ新聞社
パク・キヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1125263.html韓国語原文入力:2024-01-21 20:22
訳H.J

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