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[韓国総選挙]「圧勝」野党代表、リーダーシップを証明して大統領選へ青信号

登録:2024-04-11 08:36 修正:2024-04-11 08:55
「候補公認問題」批判にもかかわらず大勝…リーダーシップ確保 
巨大野党を率いて、祖国革新党との鮮明性競争も 
「司法リスク」も残っている変数
共に民主党のイ・ジェミョン代表が10日午後、ソウル汝矣島の国会議員会館に設けられた民主党の第22代国会議員選挙の開票状況室で、放送局の出口調査結果を見ながら拍手している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 10日に行われた第22代総選挙で共に民主党の大勝が見込まれることから、選挙を陣頭指揮したイ・ジェミョン代表は党内の筆頭株主としての地位を強固にした。今回の総選挙の候補公認を通じて党を親イ・ジェミョン系中心に再編したイ代表は、3度目の大統領選への挑戦までに審判論を乗り越え、政権獲得能力を証明するという課題を抱えることになった。

 イ代表は2022年の大統領選挙での落選後、重箱の隅をほじくるような検察の捜査や裁判出廷などの「司法リスク」の負担を抱えながら代表職を遂行してきた。2度にわたる検察の拘束令状請求により、党内外で「防弾国会」だとの攻勢にさらされ、投票日前日の9日も裁判に呼ばれたが、ハンストなどで正面突破して機会を作り出したと評価される。民主党のある首都圏候補はこの日、「今回の総選挙も結局、大統領選挙の延長線上で尹錫悦(ユン・ソクヨル)対イ・ジェミョンの戦いとして行われ、今度はイ・ジェミョンが勝ったもの」と評価した。

 今年2~3月に非主流派が離党するなど、雑音の絶えなかった「候補公認問題」を抱えていたにもかかわらず、4・10総選挙で大勝が予告されたことで、イ代表は事実上、党内で唯一無二のリーダーシップを手に入れることになった。全国単位の選挙で初勝利を収めたことでリーダーシップが立証されたうえ、党内でイ代表と対立してきた非主流派の大半が今回の選挙で公認漏れしたため、これといったライバルもいないからだ。

 イ代表は党内でけん制を受けることなく今後の大統領選挙までの安定した足場を築いた、というのが支配的な観測だ。ソウルのある初当選議員は、「単なる勝利ではなく、想像もできないような数字で圧勝を収めれば、党内でイ代表に対抗する者は誰もいなくなる。候補公認は誤りだったという話もこれからはしづらい」と述べた。

 ただし過半数を得たとしても、イ代表はただ笑ってばかりいるわけにはいかないだろうとの見方もある。「圧倒的議席」を管理しつつ、大統領選挙まで「巨大野党の安定的リーダーシップ」と「イ・ジェミョンの鮮明な政治」の検証を同時に受けなければならないからだ。さらに、祖国革新党が善戦したことで、野党第一党のリーダーシップは高次方程式を解くような問題となった。政界のある関係者は、「民主党が勝ったこととは別の問題として、祖国革新党が善戦したことで、今後は鮮明さをめぐっての競争の構図とならざるを得ない」と述べた。

 「司法リスク」もまだ残っている変数だ。イ代表は、大庄洞(テジャンドン)、栢ヒョン洞(ペクヒョンドン)開発特恵疑惑▽大統領候補当時の虚偽事実公表(公職選挙法違反)疑惑▽検事詐称偽証教唆容疑などで裁判中だ。親イ・ジェミョン系のある候補は「無理な起訴だったのだから、裁判所も民意を無視はできないだろう」と期待を示すが、結果を断言できる者は誰もいない。結局、圧勝をおさめても、イ代表にはいくつもの試練が待っているわけだ。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1136095.html韓国語原文入力:2024-04-11 00:45
訳D.K

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