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[韓国総選挙]祖国革新党、一気に第3党に浮上…尹政権に対する強硬路線貫くか

登録:2024-04-11 06:15 修正:2024-04-11 07:35
第22代総選挙を翌日に控えた9日午後、チョ・グク祖国革新党代表がソウル鍾路区世宗文化会館前で支持を訴えている/聯合ニュース

 今回の総選挙で「政権早期終息」を前面に掲げ旋風を巻き起こした祖国革新党が、第22代国会で第3党に浮上するものとみられる。今後、祖国革新党は共に民主党と「協力的競争」構図を形成し、対政府・対与党強硬路線を取る一方、確実にキャスティングボートを握る可能性が高い。

 選挙当日の4月10日、地上波3社(KBS・MBC・SBS)の放送社共同予測調査委員会(KEP)による共同出口調査の結果、祖国革新党は12~14席を獲得するものと予想された。これは、祖国革新党の目標議席数(10議席プラスアルファ)を上回る結果だ。ただし、同日午後10時現在で政党得票率は21.33%と集計されたが、開票率が3.88%にとどまり、実際の議席数が変わる可能性もある。

 同日、出口調査の結果が発表されると、国会に設けられた祖国革新党の開票状況室では、大きな拍手と雷のような歓声が鳴り響いた。さらに、民主党候補が首位を走る選挙区の出口調査の結果が発表されるたびに、まるで自党の候補が当選したかのように大きな歓声があがった。チョ・グク代表は演壇に上がり「国民が勝利した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察独裁政権の退行をこれ以上手をこまぬいて見ているわけにはいかないと思った国民の皆さんが、今回の総選挙の勝利の真の主人公だ」とし、「尹錫悦大統領は数多くの不正について謝罪し、これを正す対策を国民に報告すべきだ」と述べた。

 チョ代表が2月に子どもの入試不正と青瓦台監察もみ消し疑惑で控訴審で懲役2年を言い渡された後、新党作りに乗り出した当時は、今とはムードが違っていた。政界内外では「政権審判を口実にチョ代表が政治的免罪符を受けようとしている」とし、「政権審判論がチョ・グク審判論で薄れかねない」という批判と懸念、無視が少なくなかった。

 しかし予想とは裏腹に、党の支持率はうなぎ上りを見せ、複数の世論調査で民主党を抜いて2位まで急上昇した。「3年は長すぎる」という鮮明なスローガンは、出口を見出せなかった政権審判論に火をつけ、投票を放棄しようとした野党支持層まで巻き込んで、野党全体の支持層を拡大した。明知大学のシン・ユル教授(政治外交学)は、「『イ・ジェミョンの民主党』に賛成しない人がかなり祖国革新党支持へと移ったものとみられる」と語った。

 「選民比祖」(選挙区は民主党、比例代表は祖国革新党)を投票戦略として提示したのは、祖国革新党の政治的空間をさらに広げた背景だ。祖国革新党は「準連動型比例代表制」という選挙制度の隙間を十分活用し、民主党の「選挙区」に手を付けないのはもちろん、むしろ助ける形を取りながらも、自党の立場を固めることに成功した。

 祖国革新党は第22代国会が開院したらすぐに、検察の告発教唆疑惑、娘の入試不正疑惑などを糾明する「(与党「国民の力」非常対策委員長の)ハン・ドンフン特検法」、ドイツモーターズの株価操作疑惑、ブランドバック授受疑惑、楊平(ヤンピョン)高速道路特恵疑惑を扱う「(大統領夫人)キム・ゴンヒ特検法」を発議する予定だ。これをはじめとし、祖国革新党は政府・与党に対するけん制の手綱を緩めないものとみられる。少数政党などとともに院内交渉団体(20席)を構成する案も模索する方針だ。しかし、民主党との統合については否定している。

 チョ代表が次期大統領選挙候補群に浮上したことで、民主党のイ・ジェミョン代表と主導権争いを繰り広げる可能性もあるとみられている。最初のヤマ場は8月の民主党大会となる見通しだ。世論調査企業「JOWONCNI」のキム・デジン代表は「民主党が党大会を経て(今よりさらに)イ代表支持勢力だけに再編されれば、イ代表を支持しない勢力が大勢離脱し、チョ代表側に移ることも考えられる」と語った。

 問題はチョ代表の「司法リスク」だ。最高裁判決でチョ代表が実刑を言い渡されることになれば、勢いが急速に失われる可能性が高い。嶺南大学のチョン・ビョンギ教授(政治外交学)は、「政権審判以外には(大衆的支持を受ける)他の政治哲学がないうえ、すべて比例代表議員なので(党に問題が生じたとしても)離党できず、いつかは民主党に吸収される可能性もある」と指摘した。

コ・ハンソル、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1136104.html韓国語原文入力: 2024-04-11 05:05
訳H.J

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