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韓国、出生率0.72で過去最低…新生児数、初の24万人割れ

登録:2024-02-29 00:26 修正:2024-03-01 09:53
2023年出生・死亡統計発表 
全国17市・道すべて1を下回る
これまで高い出生率を示していた世宗市も昨年の出生率が0.97を記録したことで、初めて全国17市・道すべての出生率が1を下回った=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 韓国の2023年の合計特殊出生率は0.72となり、またも過去最低値を更新した。出生児数も初の24万人割れとなった。この傾向が続けば今年の年間合計特殊出生率は0.7を割る見通しで、統計庁は今年の合計特殊出生率を0.68と予想している。とりわけ昨年第4四半期の合計特殊出生率(0.65)は、四半期として史上初めて0.7割れを記録した。

 統計庁が28日に発表した「2023年人口動向調査 出生・死亡統計」によると、昨年の合計特殊出生率は0.72で、2022年(0.78)から0.06のマイナスとなった。合計特殊出生率とは、1人の女性が一生の間に産むと予想される出生児数の平均。

 合計特殊出生率は1984年(1.74)に初めて2を割り込み、その後も徐々に低下し続けたが、2000年代に入ってからも1以上をかろうじて保っていた。しかし、ついに2018年(0.98)に初めて1を割り込み、その後も低下し続け、昨年は0.72を記録した。1970年の統計開始以降の最低記録だった。経済協力開発機構(OECD)平均(1.58、2021年)の半分にも達しておらず、加盟国の中で合計特殊出生率が1に満たない国も韓国のみ。

 四半期の合計特殊出生率は史上初めて0.7を割り込んだ。昨年第4四半期の合計特殊出生率は0.65で、ぎりぎりで0.7だった2022年第4四半期(0.70)から0.05低下した。

 地域ごとに見ると、これまで全国の市・道の中でも相対的に高い合計特殊出生率を示していた世宗市(セジョンシ)が昨年は年間で0.97となったことで、史上初めて全国17市・道がすべて1を割り込んだ。

統計庁//ハンギョレ新聞社

 出生児数も史上最低値で、前年と比べて1万9200人減の23万人(230.0千人)と集計された。100万人台(1970年)に達していた年間出生児数は、2001年に50万人台、2002年には40万人台に減少。その後しばらくは40万人台を保っていたが、2017年に30万人台にまで低下。3年後の2020年からは20万人台となっている。

 年齢別出生率(ある年齢の女性人口1千人当たりの出生児数)を見ると、30~34歳の女性が66.7で前年より6.8低下し、低下の数値が最大。25~29歳は21.4で、前年と比べて2.6低下。35歳以上の高齢の妊娠女性の割合は36.3%で、前年に比べ0.6ポイント上昇した。平均出産年齢は33.6歳で0.1歳上昇し、統計開始以降で最も高かった。昨年生まれた子どもが第1子の割合(60.1%)も昨年初めて60%を超えた。

 韓国の出生率と直結する婚姻件数は、昨年は19万3673件で前年に比べ1.0%増加した。しかし、月間では11月(1万6695件)が対前年同月比4.4%減、12月(1万7582件)が11.6%減となり、今後の減少を予感させる。

 出生児より死亡者の方が多くなったことで、韓国の人口は4年連続で自然減となっている。昨年の韓国の人口は自然減が12万2800人で、前年より減少数が1千人縮小したものの、2020年から減少が続いている。統計庁人口動向課のイム・ヨンイル課長は、「今年は2023年と比べて出生率が低下し、0.68ほどと見込んでいる」としつつも、「婚姻件数が増えたおかげで、来年または再来年に上昇に転じる可能性がある」と語った。

アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1130189.html韓国語原文入力:2024-02-28 12:00
訳D.K

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