ゲオルギー・ジノビエフ駐韓ロシア大使は14日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の発足後に冷え込んだ韓ロ関係について「両国関係の困難はロシア側が作ったものではない」とし、「ロシアの兵士と民間人を殺しうる兵器を韓国がウクライナに渡すことは望まない」と述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の訪朝説が流れるほど密着している朝ロ関係については、「ロシアと朝鮮民主主義人民共和国との関係は第三国の利益を侵害したり、狙ったりするものではない」と述べた。ジノビエフ大使はこの日、ソウル中区(チュング)の駐韓ロシア大使館で80分ほどにわたって行われたハンギョレのインタビューで、ロシアの視点を積極的に伝えようとした。
-昨年12月18日(現地時間)のロシアメディアとのインタビューで、韓国について「非友好国の中で最も友好的な国」と言及している。両国関係をどう評価するか。
「韓国は対ロ制裁に仕方なく参加した国で、ロシアの『非友好国』リストに載っている。韓国政府の決定は、両国の国民の間に残っている温かい感情に反する。韓国が制裁を撤回あるいは取り消せば、非友好国リストから削除されるのではないかと思う。現在の関係の困難はロシア側が作ったものではない。ロシアは韓国の隣国だ。今後、両国関係が親善・善隣の軌道に復帰することを期待する」
-韓国がウクライナに兵器を間接支援するという報道がある。
「間接的であれ直接的であれ、ウクライナに対する兵器支援は容認できない。ロシアの兵士と民間人を殺しうる兵器を韓国がウクライナに渡すことは望まない。兵器支援はロ韓関係全般に大きな害を与えうるため、警告してきた」
-ウクライナで北朝鮮製の砲弾が発見されたという報道があるが。
「それが北朝鮮製のロケットだということをどうやって100%確信するのか。ウクライナの事態に関しては、これまで数え切れないほど多くのフェイクニュースがあった。ロシアと朝鮮民主主義人民共和国との関係は第三国の利益を侵害したり、狙ったりするものではない。西側メディアは、ロ朝協力を問題だとあおり続けることで、西側諸国がウクライナで直面した困難と失敗に対する関心を別の方向へと向けようとしている。ロ朝軍事協力を証明する写真などの証拠が本当にあるなら、メディアを通じて流布するのではなく、国連に提出して処理すべきだ」
-先月、北朝鮮のチェ・ソンヒ外相が訪ロしてプーチン大統領と会った。ロシアが北朝鮮に弾道ミサイルや偵察衛星の技術を提供するだろうと懸念されているが。
「そのような報道に関してコメントするような内容はない」
-ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官が訪韓中だった今月1日、マリヤ・ザハロワ外務省報道官が北朝鮮の「核の先制使用の法制化」を批判した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領について「偏向的」だとの異例の批判をおこなっているが。
「報道官の発言について申し上げるべきことはない。ただ、ルデンコ次官の訪韓で両国が率直に意見を交換し、非常に有益な対話が行われたと思う。ルデンコ次官の訪韓は両国関係にとってマイナスではなくプラスで、良い評価をしている」