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7時に食べる朝食と10時に食べる朝食が心血管に与える影響

登録:2024-01-13 00:55 修正:2024-01-13 17:26
1時間遅れる毎に発症リスクが6%上昇
早く朝食を取るほど心血管の健康に良いことが分かった=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患をはじめとする心血管疾患は、世界の主な死亡原因の最上位圏に位置するだけでなく、患者と死者を増やし続けている。

 世界の疾病負荷(GBD)研究によると、過去30年間(1990~2019)に心血管疾患の患者数は2億7千万人から5億2300万人へと2倍に、死者数は1210万人から1860万人へと50%以上増えている。多くは正しくない食生活のせいで発症したものだ。

 だが、どのような物をどれだけ食べるかだけが問題なのではない。いつ食べるかも健康に大きな影響を及ぼすのだ。昨年10月に国際学術誌「セル・メタボリズム」に発表された米国ブリガム女性病院の研究によると、遅い時間に食事をすると、概してカロリー消費の速度が遅くなり、より多くの脂肪が体に蓄積される。

 米国医師会(JAMA)が発行する「JAMAネットワークオープン」に昨年10月に発表されたイリノイ大学シカゴ校の研究では、正午から午後8時の間に食事した糖尿病患者の方が、カロリーを25%減らした食事をした患者より高い減量効果をあげていた。ただし、血糖値の減少幅はほぼ同じだった。

 2022年5月に「サイエンス」に発表された米ハワードヒューズ医学研究所のマウス実験では、カロリーを減らした食事を夜間にのみ与えると、マウスの寿命が35%延びていた。35%のうち、カロリーを制限した食事による寿命延長効果は10%だった。夜行性のネズミは夜間に活発に動く。

夕食時間が1時間遅れるたびに、脳卒中などの脳血管疾患のリスクが8%上昇した=Louis Hansel/Unsplash//ハンギョレ新聞社

男性よりも女性の方がはっきりとした効果

 朝食時間が心血管の健康に及ぼす影響を分析した研究結果が発表された。

 パリ第13大学とバルセロナ世界保健研究所の共同研究陣が、フランス国立農業食糧環境研究所の栄養疫学研究データから心血管のリスク要因と関連のある10万3389人のデータを探し出し、分析した結果だ。国際学術誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表されたこの研究によると、朝食を早い時間に取るほど心血管の健康に良い。両者の相関関係は男性より女性の方がはっきりしていた。食事の回数は関連性が表れなかった。

 研究陣は、朝食を1時間遅らせるたびに心血管疾患のリスクが6%上昇したと明らかにした。例えば、午前10時に朝食を取る人は午前7時に朝食を取る人に比べ、一生のうちに心血管疾患にかかる危険性が18%高かった。

 脳血管疾患は朝食時間とは関係がなかった。しかし、夕食時間が1時間遅れるたびに、脳卒中のような脳血管疾患にかかる危険性は8%上昇した。特に夕食を午後9時以降に取る人は、午後8時以前に夕食を終える人に比べて脳血管疾患にかかる危険性が28%高かった。夜間の空腹時間と脳血管疾患のリスクとの間にも相関性があった。夜間の空腹時間が長いほど脳血管疾患のリスクは低かった。

 今回の研究は朝食を取る時間と心血管の健康との相関関係を確認したものであって、因果関係を究明したものではない。しかし研究陣は「研究結果は、朝食を抜くよりも朝食時間を早めること、同時に夕食も早く終えて夜間の空腹時間を長くすることが、心血管疾患の予防に役立つことを示唆する」と述べた。

*論文情報

https://doi.org/10.1038/s41467-023-43444-3

Dietary circadian rhythms and cardiovascular disease risk in the prospective NutriNet-Santé cohort. Nat Commun 14, 7899 (2023)。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1124099.html韓国語原文入力:2024-01-12 09:48
訳D.K

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