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[独自]海兵隊員死亡事故直後の報告に「水中捜索」暗示する表現多数=韓国

登録:2023-12-22 09:29 修正:2023-12-22 11:09
イム・ソングン前師団長「水中捜索、知らなかった」
海兵隊の将兵が7月18日午後、慶尚北道醴泉郡殷豊面栗谷里付近で、漢川に沿って捜索作業をおこなっている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 今年7月の豪雨による行方不明者の捜索中に死亡したチェ上等兵の事件で、イム・ソングン前海兵隊第1師団長が「水中を捜索中だということは知らなかった」と容疑を否認している中、事故発生直後に現場の幹部と交わした会話に「水中捜索」が前提となった表現が多数含まれていたことが明らかになった。イム前師団長は「水中捜索は想像もできなかったので、その表現は陸上捜索のものと認識していた」と反論した。イム前師団長が水中捜索を指示したのか、あるいは少なくとも認知はしていたのかなどは、今後の同氏の業務上過失致死容疑についての捜査の重要争点だ。

 ハンギョレが21日に確保したイム前師団長の2回目の陳述書によると、同氏は7月19日午前の事故発生直後から翌日の午前1時にかけて行われた報告を説明する際に、「(チェ上等兵の所属する)砲兵第7大隊の隊長が報告したとおり、水辺(地上/陸上)捜索作戦中に水辺の地盤が崩れたため、河川本流へと流れる急流に飲まれたと認識した」とし、「(キム・ゲファン海兵隊司令官に)『水辺地域は地上/陸上だが(砲兵第7大隊長が)地盤が崩れたようだと言っている』と報告した」と述べている。この陳述書は、同氏がパク・チョンフン大佐の抗命事件を審理中の軍事裁判所に7日に提出したものだ。

 チェ上等兵が所属していた砲兵第7大隊の隊長は、イム前師団長が水中捜索を指示したのであり、したがって水中捜索中に事故が発生したことを当然認知していたと主張する。砲兵第7大隊長のA中佐は前日、報告内容の録音ファイルなどを公開した際に、「(事故直後の7月19日午前9時13分、イム前師団長に)高い深さまでシャベルで水底を掘ったものだから、地盤が崩れて落ちたということだ」と報告したと述べている。「高い深さ」、「水底を掘る」などは水中捜索を描写するものだ。当時、イム師団長はこの報告を受けた際にも自然に会話を続けていた。

 イム前師団長は「水辺で事故が発生した」と報告を受け、したがって水中捜索を思い浮かべることはできなかったと主張している。事故発生直後の19日午前9時24分、A中佐はショートメッセージで「水辺で作業中にあっという間に飲み込まれ3人ほどが落ちた」と報告している。水辺の辞書的な意味は「海、川、池などのように水がある場所の縁」だ。イム前師団長は2回目の陳述書で、「数回にわたって絶対に水に入るなと強調しており、これを迅速機動部隊長も(将兵に)数回指示したという報告を受けたため、(将兵が)これに反して水中(本流)捜索をしたとはまったく予想できない状態」だったと述べている。

 だがA中佐側は、イム師団長がすでに水中捜索を指示していたため「水辺」と「水中」が厳格に区別されて使われてはいなかった、との立場だ。これまでに複数の幹部が「碁盤式に隊列を組んで膝下まで入り、突いて丁寧に探索せよ」とイム師団長に指示され、それを「水中捜索指示」と受け取ったと軍検察の調査で陳述している。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1121444.html韓国語原文入力:2023-12-22 07:00
訳D.K

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