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ニューヨーク・タイムズ、コラムで「韓国消滅か」…「ペストまん延レベルの人口減」

登録:2023-12-03 23:38 修正:2023-12-04 06:31
「2世代後には200人の人口→70人→25人 
放置される高齢者、荒廃した高層ビルが韓国の未来 
合計特殊出生率1.8人の北朝鮮が南侵する可能性も」
ソウルのある病院の新生児室/聯合ニュース

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、合計特殊出生率が過去最低となった韓国を、ペストの流行で人口が大幅に減少した14世紀の中世欧州に例えるコラムを掲載した。

 同紙のコラムニスト、ロス・ダウサート氏は2日(現地時間)、「韓国は消滅するのか」と題するコラムで、「韓国は先進国の抱える人口減少問題において顕著なケーススタディーの対象国」だとしつつ、先日発表された韓国の第3四半期の出生率統計を紹介した。統計庁は先月29日、今年第3四半期(7~9月)の韓国の合計特殊出生率は0.7人で、過去最低を記録したと発表した。合計特殊出生率とは、1人の女性が一生の間に産むと予想される子どもの数の平均。

 同氏は韓国の合計特殊出生率の意味について、「この水準の出生率が維持される国は、200人が1世代を構成するとすると、次の世代は70人に減ることになる」とし、「このような人口減少は、14世紀にペストが欧州にもたらした人口減少をしのぐもの」だと説明した。

 14世紀の欧州地域におけるペストによる人口減少数を正確に知ることはできないが、10人中5~6人が死亡した地域も欧州では少なくなかったと学界では考えられている。もちろん、伝染病のまん延による人口減少と出生率の低下は単純には比較できないが、韓国の出生率の極端な低さを強調した表現だとみられる。

 さらに同氏は「さらに1世代が交代する実験を実行すれば、もとは200人だった人口は25人以下にまで減少し、さらにもう1世代後にはスティーブン・キングの小説『ザ・スタンド』に出てくる仮想のスーパーインフルエンザによる急速な人口崩壊レベルとなる」とも述べている。

 同氏は、韓国の出生率が数十年間にわたって最近と同様の低水準が保たれ、人口が数百万人水準にまで減少するとは思わないと述べている。しかし同氏は、2067年には韓国の人口が3500万人を下回る可能性があるとする統計庁の人口推計(低位推計シナリオによる)を引用しつつ、この程度であっても十分に韓国社会は危機に陥ると指摘している。

 同氏は「高齢者世代はやむを得ず放置され、大量の幽霊都市と荒廃した高層ビルが生じ、高齢層の扶養で未来の見通せない若い世代の移民の動きが現れるだろう」とも警告した。「韓国が有能な野戦軍の維持に困難を来せば、合計特殊出生率が1.8人の北朝鮮がある時点で南侵する可能性もあるだろう」とも述べている。

 同氏は韓国の少子化の原因として、激しい入試競争、男女の対立、ネットゲームに夢中になっている韓国の若い男性が異性よりも仮想の存在にはまっていること、などが語られていると述べている。そして同氏は、米国社会の競争、男女対立や理念対立と比較しつつ、「現在の韓国のすう勢には、ただ暗うつに驚いてばかりはいられない。これは私たちにどんなことが起こり得るかについての警告だ」と結んでいる。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1118859.html韓国語原文入力:2023-12-03 15:39
訳D.K

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