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日本外相「慰安婦判決是正」迫る…韓国外相「合意を尊重」、的外れな返答

登録:2023-11-26 23:24 修正:2023-11-27 08:36
パク・チン外交部長官(中央)と日本の上川陽子外相(左)、中国の王毅外相が26日午後、釜山海雲台区のヌリマルAPECハウスでの韓中日外相会談に先立ち、手を取り合って記念写真を撮っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 韓中日外相が26日、釜山(プサン)で4年3カ月ぶりに会談した。しかし、韓中日首脳会談の開催日程を決めることはできなかった。パク・チン外交部長官はこの日、韓日、韓中2国間外相会談もおこなったが、日本は韓国司法による「慰安婦裁判の結果」について「国際法違反」だとして強く抗議し、中国は9・19南北軍事合意の無効宣言について韓国との意見の違いを示した。

 この日午前の韓日外相会談の直後、日本外務省は報道資料で、「上川陽子外相は23日、ソウル高裁で国際法上の『主権免除原則』が否定され、原告の訴えを認める判決が下されたことを非常に遺憾に思い、国際法違反を是正するために韓国政府に適切な措置を講じるよう再び求めた」と述べた。ソウル高裁民事33部(ク・フェグン裁判長)は23日、日本軍「慰安婦」被害者イ・ヨンスさん、故クァク・イェナムさん、キム・ボクトンさんの遺族ら16人が日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟の控訴審で、一審の却下判断を取り消し、請求金額の全額の賠償を日本政府に命じる判決を下した。

 外交部は報道資料でこのような内容を明らかにしていない。ただし外交部の関係者は「パク・チン長官は慰安婦判決についてどのような意見を日本に表明したのか」と記者団に問われ、「2015年の韓日慰安婦合意を両国の公式合意として尊重していると伝えた」と説明した。韓国司法の決定に対して日本が遺憾を表明したにもかかわらず、それについては直接答えず「的外れ」な返答をしたかたちだ。韓日は朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年12月28日のこの合意で、日本軍慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に終結した」と宣言している。

 韓日外相会談に続いて行われた韓中外相会談では、両国は朝鮮半島に関する懸案をめぐって意見の食い違いをみせた。外交部の関係者によると、パク長官は、9・19南北軍事合意の一部の効力を停止したのは「国民の安全のための最小限の防衛的措置」だとし、「9・19軍事合意に拘束されず追加挑発で威嚇し、その責任を韓国に転嫁する北朝鮮の態度を明確に指摘した」と述べた。しかし中国の王毅外相は「各主体が冷静さを保ち、政治的解決の大きな方向性を維持していかなければならない」という中国側の従来の立場を繰り返したという。

 それに続く3国外相会談の終了後、パク長官は「3人の外相は、3国の協力を早期に復元し、正常化していくことで合意した」と述べた。しかし3国外相は、韓中日首脳会談については「3国がそれぞれ都合がよく、最も早い時期に開催しよう」との従来の立場を再確認しただけで、開催日を決めることはできなかった。

 よって韓中日首脳会談は、政府が当初は年内開催を予告していたのとは異なり、来年に先送りされるとみられる。チョ・テヨン国家安保室長はこの日、3国外相会談の直前に聯合ニュースTVに出演し、「(3国首脳会談の年内開催の)扉は閉じられてはいないが、今のところ年内開催は容易ではなさそうだ」と述べた。外交部の当局者も3国外相会談の直後、記者団に対し、「3国首脳会談の開催と協力の復元および正常化について、王毅外相も何度も強い支持を表明した」としつつも、「様々な考慮要因があるため、今回の会談で開催日が決められなかったのは事実」だと述べた。

シン・ヒョンチョル記者、北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1117916.html韓国語原文入力:2023-11-26 19:43
訳D.K

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