国民の力は、京畿道金浦市(キンポシ)の他に河南(ハナム)、九里(クリ)、光明(クァンミョン)などの隣接都市についてもソウルへの編入を検討すると表明した。この問題を扱う国民の力の「首都圏住民便益改善特別委員会」は6日ごろに第1回目の会議を行うのに続き、ソウル市のオ・セフン市長や金浦市などの編入希望自治体に意見を聞くことにしている。
同特委のチョ・ギョンテ委員長は3日、ハンギョレに対し「金浦だけやったとしてもメガシティーの意味はあまりない。(追加編入)都市はまだ決めていないが、さらに増えると思う」とし、「河南、九里、光明市が編入を非常に望んでいる」と語った。同氏は高陽市(コヤンシ)からも連絡が来ると述べた。先月30日、キム・ギヒョン代表は京畿道金浦市のソウル編入を党の方針として推進すると表明した。その後、国民の力所属のペク・キョンヒョン九里市長もソウル編入の意思を明らかにした。
チョ委員長はまた、ソウル市のオ・セフン市長がこの日午前に電話で、金浦市のソウル編入推進に関して問い合わせてきたと紹介しつつ、「早ければ来週にもオ市長に会って話を聞いてみることにした。金浦市などの関連自治体などとも会って立場を聞くつもり」だと話した。特委はまた金浦、河南、九里、光明などの現地を訪問し、自治体と住民の意見を聞く計画だ。
オ市長は前日、現役の国会議員を含むソウル市の30人あまりの党協委員長と夕食を共にした。市長はその際、テーブルを回り「金浦市のソウル編入をどう思うか」と意見を聴取した。ある参加者は「オ市長はまとめの発言で『意見を聞いてみたら、賛成と反対が半々のようだ。深く研究する』と述べた」と語った。
国民の力は党の方針として、金浦市のソウル編入に向けて特別法を推進している。チョ委員長は「(法案提出は)編入を希望するすべての自治体と会って熟議した後に行うべきではないか」とし、金浦だけでなく他の隣接都市の編入をも合わせて年末以前に提出することに言及した。特委は15人ほどの規模で、6日に1回目の会議を行うとみられる。
金浦市などのソウル編入は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の述べた「地方の時代」に反する、との指摘に対して、パク・チョンハ首席報道担当は「地方も圏域ごとに発展すべきだとの概念とは(金浦市のソウル編入は)異なる分野の話」だとし、「地方を疎かにしたり消滅をあおったり、首都圏の過密を助長したりするというのは、お門違いの批判」だと述べた。
与党の速攻には、与党内からも慎重論が出ている。ウォン・ヒリョン国土交通部長官はこの日、経済省庁の来年度予算案を審査する国会予決特委の全体会議で、「金浦新都市がソウルに編入されることに関してどう思うか」と国民の力のチョン・ジュヘ議員に問われ、「金浦地域の住民の生活、またソウル市と京畿道の様々な行政に及ぼす影響は大きい」とし、「そのため、これらの点についてより綿密な検討と住民の落ち着いた討論が必要だと思う」と述べた。
共に民主党はこの日も、金浦市のソウル編入ではなくソウル地下鉄5号線の延伸を行えと主張した。ホン・イクピョ院内代表は最高委員会議で、「雲をつかむような話ではなく、交通問題を確実に解決すべきだ」とし、「国民の力は5号線の予備妥当性調査の免除と来年度事業の予算確保に対する立場がどのようなものかを明らかにしてほしい」と述べた。地下鉄5号線の延伸はソウルの傍花(パンファ)駅~仁川(インチョン)の黔丹(コムダン)新都市~金浦の漢江(ハンガン)新都市を結ぶ新設路線事業で、停車駅をめぐって仁川市と金浦市が対立しているため進捗が遅れている。
民主党所属のキム・ドンヨン京畿道知事はこの日、中国から入国する際に記者団の取材に応じ、与党に対して「国と未来は眼中にもなく、ひたすら金浦市民を票としてのみみる発想から生じたものだ。本当に悪い政治」だとし、「選挙用の変種のゲリマンダリング(特定の政党や候補に有利になるよう選挙区を決めること)であるため、世界的な嘲笑の種になるはずであり、実践の可能性がほとんどないため、国民に対する詐欺劇になるだろう」と批判した。