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[この人] "辞退宣言は大学3年間 悩んだ結果"

原文入力:2010-04-15午前09:08:00(1630字)
‘大学拒否 大字報’を本で出した高麗大辞退生 キム・イェスル氏
"稚気に充ちた行動ではない…多くの人と疎通したい"

キル・ユンヒョン記者,イ・ジョングン記者

←キム・イェスル(24)氏

3月10日。‘雪の降ったある春の日’高麗大学校経営学科3学年キム・イェスル(24・写真)氏は大学キャンパスに‘今日、私は大学を拒否します’で始まる長分の大字報を貼りだした。"商品として‘選別’されることなく、役に立たない人間の道を‘選択’するために" 大学を捨てるという一人の若者の宣言に韓国社会は大きな衝撃を受けた。オンラインを中心に深い共感を吐露する若者たちの激烈な反応が続き、自ら進歩的知識人であることを自負する多くの人々が‘恥ずかしい’という自嘲に充ちた嘆きを吐露した。

 その後一ヶ月。キム氏は大字報に全て書くことが出来なかった理由を集め新刊本<キム・イェスル宣言-今日 私は大学を辞める、いや拒否する>(ヌリンコルム)を出した。彼女は 「私の宣言が一人の若者の稚気による行動ではなく、3年間ずっと悩んできた結果だったという事実を知るだろうとし、さらに多くの人と疎通するために恥ずかしいが本の出版を決心した」と話した。本には‘資格証ブローカー’に転落した大学で‘偽りの希望に対抗し抵抗しよう’という結論を下すまで24歳の若者が掘り返してきた悩みがもの静かに整理されている。

 2004年度入学生のキム氏がこの時代の大学に対し真剣に悩み始めた契機は、2学年の時にぶつかった三星のためだった。"その年5月イ・ゴンヒ三星会長が100周年記念館(三星館)建設費を寄付した代価として名誉哲学博士学位を受けに学校にきました。それに反対した学生たちが教籍剥奪措置を受ける事件がありました。学校では何が正しく何が間違っているかより‘立派な建物を一つ建てれば良い’という考えが多かったんですよ。イ会長が天才10万人が全国民を食べさせているという言葉を言ったが、それなら‘私は何者か’悩むことになったようです。"

 キム氏は "以後、大学と社会が提示する姿に従い流されて行って良いのだろうかという懐疑を持った" と話した。悩んだ末にキム氏は休学を決心した。おりしも 共に生きる共同体を指向し2001年9月に始まった分かち合い文化という集いを知ることになった。キム氏は大学の分かち合い文化の活動をし‘三星を正すキャンペーン’,‘戦争反対平和行動’等の活動に参加することになる。

 多くの人々が彼女に大学の中で問題を苦悩しながら解決できないかと尋ねた。"大学で習ったことは‘無料はない’という事実だけです。安定した職場を得てお金を稼ごうとするには、私の若さと青春,人生と魂を捧げなければならないという事実を教えてくれました。それでも私が88万ウォンではなく188万ウォンを受けたとしても大学と資本の問題が解決されるわけじゃないでしょう。"

 キム氏は今後、大学時代から縁を結んだ分かち合い文化で研究員として活動し、彼女が話した大学と巨大資本という‘巨大な敵’と戦い抜く計画だ。しかし彼女の宣言にも関わらず‘大学は鈍重な恐竜のように動く気配がない’(ハン・ジョンスク ソウル大教授)ままで、資本の城砦は相変らず高く険しい。彼女は「少しずつ多くの人々と疎通し私たちの社会を変える根本的な苦悶をしていく" として "大字報に書いたように、誰がより強いかは今後の楽しみ" として笑った。

 文 キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr,写真 イ・ジョングン記者 root2@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/416048.html 訳J.S