軍事・安全保障の専門家の延世大学統一研究院のキム・ジョンデ客員教授(前正義党議員)は、13日の朝ロ首脳会談を契機として「(朝中ロ)3カ国が協力する様相へと向かう可能性が高い」としつつ、「今からでも中国、ロシアと対話すべきだ」と述べた。
キム教授は14日、韓国放送(KBS)ラジオ「チェ・ギョンヨンの最強時事」とのインタビューで、「(これまでは)ロシアと北朝鮮が密着すれば中国がけん制していたが、今回は中国が(両国の関係を)けん制していないというのが特異な面の一つ」だとしつつ、このように述べた。そして「(今後)軍事演習では、北朝鮮とロシアだけでなく中国も参加し、3カ国の軍事演習として行われる可能性が高い」と付け加えた。
キム教授は、朝中ロ経済協力については、「北朝鮮とロシアとの貿易が活性化すれば、『ルーブルで決済するか、人民元で決済するか』という問題も3国間で協議される可能性が高い」とし、「朝ロがまず密着し、後から中国が飛び込んで3国間の協力につながるというこのような様相は、韓米日が結束する様相と類似しているのではないか(と考えられる)」と述べた。
中国の役割については「通常兵器や農業、インフラ、エネルギー、食糧においては、むしろ中国が支援する可能性もある」とし、「軍事訓練も一緒にやろうと言うだろう。このような点ではむしろ中国が友好的な視点を持つだろうし、介入する可能性が高い」との見通しを示した。
キム教授は今回の朝ロ首脳会談について、「可能なのは冷戦終結以前の金日成(キム・イルソン)時代くらいだったある種の密着が、いま再現されているとみられる」とし、「その点で、90年代の苦難の行軍として北朝鮮が30年歩んできた孤立の道から、いまや脱皮しうる一つの転機を迎えている」と指摘した。
韓ロ関係については、「ロシアはわずか2年前までは大韓民国寄りだった。だからロシアと協力して北朝鮮を管理していたのだが、いまはそのロシアが北朝鮮の側へと行ってしまった」とし、「何度も機会があったのに事実上放置して何の努力もしなかったがために、もうやロシアは大韓民国の顔色をうかがうことなく北朝鮮を助けるようになった」と分析した。そして「今からでも(尹錫悦大統領は)『大韓民国はグローバル中枢国家』だと言ってばかりいるのではなく、中国、ロシアと対話をはじめるべきだ」と述べた。