与党「国民の力」の「韓国の海を守るタスクフォース(TF)」の委員長を務めるソン・イルチョン議員は、福島第一原発の汚染水を「汚染処理水」と呼びつつ、「委員長である私が(この用語を)使ったのだから、すでに我が党は公式化したとみるべきだ」と述べた。国務調整室も「そのような(用語変更)意見が出続けるなら、適正な時期には考えなければならないのではないかと思う」と語った。24日に日本政府が汚染水の放出を開始してから1週間もたたないうちに、与党と政府が名称変更に乗り出した格好だ。
ソン委員長は30日に国会で行われた水産業協同組合と給食業者との共生協力協約式で「党で『汚染処理水』という名称を使うつもりなのか」と記者団に問われ、「数カ月前から私はずっと『汚染処理水』と書いてきた」と述べつつ、上のように語った。水協中央会のノ・ドンジン会長は協約式で「この時間以降、すべての韓国の漁業者は汚染水から処理水へと名称を変更する」と述べた。
ユ・サンボム首席報道官もこの日、国会で記者団に対し、「(汚染水に関する用語は)今や汚染処理水として公式化すべきだ」とし、「向こう(日本)で汚染されたものを処理して放出するのだから、汚染処理水問題と呼ぶべきだろう。汚染処理水は国際原子力機関(IAEA)で使われる公式用語」だと述べた。
政府も名称変更の可能性に言及した。
パク・クヨン国務調整室第1次長はこの日、政府ソウル庁舎で行った「福島汚染水放出定例ブリーフィング」で、「現在までのところ、総称は『汚染水』との表現が維持されるだろう。ただし具体的にどのタイミングでどの程度補完するのか、この部分は引き続き意見を聞いて判断する計画」だと語った。パク第1次長は、25日の定例ブリーフィングでは「国民感情などの様々な部分で総括的な(汚染水)表現も変えるのか、内部的に判断したが、現在のところは表現を維持するものの、状況に合わせて弾力的な表現を使うという程度に考えておけば、大きな混乱はないだろう」と述べている。
この日、海洋水産部のパク・ソンフン次官は、「党は汚染処理水を使い、政府は汚染水を使うという現象は常識的なのか」と記者団に問われ、「この部分は国益の観点から、汚染水と処理水のどちらの単語がより役に立つのかを総合的に判断したうえで決定しなければならない」とし、「海水部では当然、韓国漁民と水産業界の従事者たちの声を無視することはできない」と話した。