原文入力:2010-04-05午後09:57:22(1544字)
新建物主, 契約解約・明け渡し訴訟で立ち退かせ
再建築すれば‘商人保護策’強制方案なし
キム・ギョンウク記者,パク・ジョンシク記者
←再建築が進行中のソウル,九老区,高尺ショッピングセンターで5日午後、一人の商人が自分の店にぼんやりと座っている。商店街の灯りが大部分消えていて周辺がかなり暗い。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr
パク・オクチャ(52)氏は現在再建築が進んでいるソウル,九老区,高尺洞の高尺ショッピングセンターで去る18年間商売をしてきた。1993年に夫が交通事故で亡くなり、すぐに始めた仕事だった。4坪(13㎡)の店を得て‘釜山スナック’という看板を掲げた。家賃8万7100ウォンを払いクッパとスンデ,うどん,豚の頭肉などを商った。クッパは一杯3000ウォンだ。18年間そのままだ。そのようにして一人で12才,11才だった子供たちを育て大学まで卒業させた。
高尺ショッピングセンターは名前のとおり現代式建物のつややかなショッピングセンターではない。1908㎡規模の在来市場だ。商人たちは皆、パク氏のような零細商人で大部分が60~70代の老人たちだ。パク氏は粉食コーナー商人の中で最も若い。3年前に建物主が‘高尺開発’から‘チョンソンE&G’に変わる前までこの市場は盛況だった。
しかし新しい建物主が入ってきて商人たちは契約解約にあった。これに従わない商人には明け渡し訴訟が進行された。婦人服屋を運営しているキム・ジヒョン(44)氏は「からだに入れ墨をした用役業者の人々が上衣を脱いで市場を歩き回り、商人とお客さんらに威嚇を加えることもした」と話した。これらの横暴でお客さんは途絶え、商人たちは散った。300人余りの商人の中で今残っている商人は50人にもならない。
オ・インファン民主労働党九老区委員会事務局長は 「再建築に先立ち商人を無理に追い出すのは商店街借家人に対する補償は最小化し、‘伝統市場および商店街育成のための特別法’による各種特例を享受しようとする意図」と主張した。実際にこの特別法により在来市場を再建築などで現代化することになれば、容積率400%以下、建ぺい率90%以下、建築物高さ制限緩和などの恩恵が与えられる。取得税,財産税などの地方税をはじめ過密負担金減免恩恵もついてくる。もちろん入店商人に対する再入店保障,臨時市場用意などの商人保護対策も同時に用意しなければならない。
しかしチョンソンE&Gのように、あらかじめ明け渡し訴訟で商人らを追い出し、後ほどこの特別法により市場再建築をすると区庁に申告すれば、商人保護対策を講じろと強制する方法がない。チョン・ギョンピョ九老区地域経済課長は「まだ建物主が市場再建築をするか、一般建築物再建築をするか、区庁に申告していない状況」として「このようになれば現実的に商人を助ける方法がない」と話した。
これに対しイ・ジュウォン‘分かち合いと未来’地域事業局長は「再建築認・許可権を持った区庁が立ち上がり、建物主に商人保護対策を用意しろと指示し、これを履行しなければ認可を出さないなど強力な行政指導をしなければならない」と指摘した。
5日からは一部商店街に対し再び明け渡し執行がなされる。朽ちて崩れた市場から商人たちは一つ二つと追い出され、残った商人の憂いは深くなっている。
キム・ギョンウク記者 dash@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/414500.html 訳J.S