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金正恩委員長、ソウル・首都圏を地図上で指さし「攻勢的軍事対応を」

登録:2023-08-11 09:02 修正:2023-08-11 13:51
朝鮮労働党の金正恩総書記兼中央軍事委員長は9日、平壌労働党中央委本部庁舎で労働党中央軍事委員会を開き、「攻勢的な軍事的対応案」を決めたと労働新聞が10日付で報じた。同紙に公開された数枚の会議の写真の中には、金委員長が会議場に設置された朝鮮半島の地図上でソウルを含む南側の首都圏地域を直接指さす場面がとらえられた写真もある/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼中央軍事委員長が党中央軍事委を開き、「攻勢的な軍事的対応案」を決めた。労働新聞が10日報じた。弾道ミサイル発射など戦略的軍事行動を予告したわけだが、差し迫った韓米日首脳会談(18日、米キャンプデービッド)と韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」(21~24日)に対抗するという意志の表現といえる。

 労働新聞は9日、平壌(ピョンヤン)の労働党中央委本部庁舎で金委員長主宰で開かれた労働党中央軍事委第8期第7次拡大会議で「朝鮮半島地域の平和と安定を破壊する情勢悪化の主犯たちの軍事的蠢動を分析し、徹底的にけん制するための攻勢的な軍事的対応案を決めた」と報じた。同紙は、金委員長が会議で「討議・決定された重大な軍事的対策に関する命令書に直筆署名」し、「戦争準備を攻勢的にさらに急ぐことに対する綱領的結論を下した」と伝えた。

 同紙に公開された会議の写真の中には、金委員長が朝鮮半島の地図上でソウルを含む南側の首都圏地域を直接指さしている場面がとらえられたものもある。韓国統一部の当局者は「首都圏と(陸軍本部などがある)大田(テジョン)地域を指しているようだ」とし、「まもなく行われる韓米合同演習に対応して威嚇メッセージを伝えようとする行動とみられる」と述べた。

 これと共に同紙は、金委員長が「各種の武装装備の大量生産闘争を本格的に進めなければならない」とし、武装装備の生産計画目標を提示したと報じた。これは北朝鮮の対ロシア兵器輸出を念頭に置いたものであるため注目される。金委員長は3日から5日にかけて各軍需工場を現地指導し、「新しい弾種」の大量生産など「国防経済事業の重要方向」を提示した。これは、金委員長が停戦協定70年記念行事を機に訪朝したセルゲイ・ショイグ国防長官らロシアの軍事代表団とともに「武装装備展示会2023」を見学し、軍事協力強化に合意したことの後続の動きといえる。金委員長がロシア軍事代表団に会った後、2回の公開活動(軍需工場の現地指導と党中央軍事委会議)で「武装装備の大量生産」を繰り返し督励したということであり、注目を集めている。国連は北朝鮮とのいかなる武器取引も禁止している。

 同紙によると、今回の会議では、来月9日の朝鮮民主主義人民共和国創建75周年を契機に、朝鮮人民軍ではなく労農赤衛隊、社会安全隊、消防隊など「民間武力パレード」を準備する問題も討議された。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1103761.html韓国語原文入力:2023-08-11 02:48
訳C.M

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