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韓米日、北朝鮮ミサイル情報の「リアルタイム共有システム」年内稼動へ

登録:2023-06-05 06:43 修正:2023-06-05 07:11
イ・ジョンソプ国防部長官(右)と米国のロイド・オースティン国防長官(中央)、日本の浜田靖一防衛相が3日(現地時間)、シンガポールのシャングリラホテルで開かれた第20回アジア安全保障会議を機に韓米日防衛相会談を開いた=韓国国防部提供//ハンギョレ新聞社

 韓米日は北朝鮮のミサイル警戒情報をリアルタイムで共有するシステムを年内に稼動することで合意した。北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを試みるなど、軍事的脅威を強めている中、韓米日3カ国も安保協力強化に拍車をかけている。韓国が米国の進めるミサイル防衛(MD)システムに事実上組み込まれていくという批判も高まるものとみられる。

 韓国国防部は4日、イ・ジョンソプ国防部長官、米国のロイド・オースティン国防長官、日本の浜田靖一防衛相が3日にシンガポールで3カ国防衛相会談を開催し、北朝鮮が発射したミサイルに対する各国の探知・分析能力を高めるため、ミサイル警戒情報をリアルタイムで共有するシステムを年内に稼動することで意見の一致をみたと発表した。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領、米国のジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相は昨年11月13日、カンボジアのプノンペンで開かれた首脳会談で、北朝鮮が発射したミサイルに対する警戒情報をリアルタイムで共有することで合意した。その後続措置として、今回3カ国防衛相がミサイル情報のリアルタイム共有の時期を「年内」にすると具体化した。3カ国防衛相はミサイル警戒情報のリアルタイム共有ステムの稼動に向け、今後数カ月以内にさらなる進展を図ることで合意した。

 3カ国の防衛相は、2014年に締結した韓米日情報共有に関する防衛当局間の取決め(TISA)を活用し、3国間の調整と協力を促進するという従来の協議内容を再確認した。同取決めは、韓国が収集した北朝鮮の核とミサイル情報を米国に伝えれば、米国は韓国の承認を得て日本に伝える方式だ。日本が収集した情報も同じ方式で韓国に伝えられる。

 イ・ジョンソプ長官は会談後、記者団に「北朝鮮ミサイルに対する警戒情報のリアルタイム共有について、現在韓米、米日間でそれぞれ運用中の情報共有システムを連動させ、年内に稼動することで合意した。このため、実務協議を早急に進めていく」と述べた。

 シンガポールで開かれた今回のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)を機に、韓日は両国軍事当局の懸案事項である「自衛隊哨戒機の威嚇飛行問題(日本では韓国海軍のレーダー照射問題として知られる)」をめぐる軋轢も、過去を問いただすことなく、今後「再発防止対策」に集中することにし、韓米日3カ国の安保協力強化に向けたハードルを下げた。

 3カ国のミサイル情報のリアルタイム共有に関する協議が進むにつれ、中国などを狙った米国のミサイル防衛網への編入が加速化しているという懸念が高まっている。これに対し国防部は、3カ国がリアルタイムで共有する範囲がミサイル発射前後ではなく、発射が行われた状況で警戒情報(発射の原点、飛行方向と速度、弾着予想地点)に限定されるため、ミサイル防衛網編入とは異なると反論している。

 3カ国の防衛相はまた、北朝鮮の核とミサイルによる脅威に対する3カ国の対応態勢を強化し、脅威の抑止に必要とされる対潜水艦戦訓練、海上ミサイル防衛訓練などの防御的訓練を定例化することにした。特に最近の北朝鮮のいわゆる衛星と称した長距離弾道ミサイルの発射は、弾道ミサイル技術を活用した一切の発射を禁止する国連安保理決議に対する深刻な違反行為だとして、これを強く糾弾したと、国防部が伝えた。

 さらに、域内の緊張を高める一方的な行動に対し強い反対を表明した。彼らはロシアの侵略戦争に対抗してウクライナを支持すると共に、今回の戦争が領土の一体性と主権に対する重大な違反であることも再確認した。また、台湾海峡一帯の平和と安定の重要性も強調した。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1094580.html?_fr=mt1韓国語原文入力: 2023-06-05 02:44
訳H.J

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