中国のケイ海明駐韓大使が2日、台湾海峡問題と関連して中国に憂慮を示した米国など「価値観連帯」国家に対して「ダブルスタンダード」だと批判した。
ケイ大使は、済州道西帰浦市(ソグィポシ)で開かれた「2023平和と繁栄のための済州フォーラム」最終日であるこの日、「持続可能な平和のための北東アジア(韓・中・日)青年の声」セッションに参加し、祝辞を通じてこのように話した。
ケイ大使は「韓国では『ネロナンブル』(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)という言葉が流行っている。中国にも「枉己正人(自分自身が正しくないことをしながらも他人を正そうとする)」という四字熟語がある」と話し、「一部の国家はウクライナ問題において主権を強調しながらも、一方では台湾問題で中国の内政に干渉し、『一つの中国』原則というレッドラインを踏んでいる。さらに、故意に台湾海峡の緊張を造成している」と話した。
これに先立ち、先月20日にまとめられた米国・日本・ドイツなど主要7カ国首脳会議(G7サミット)共同声明には、台湾海峡と関連して「力による現状変更の試みに強く反対する」という字句が含まれたが、ケイ大使の発言はこうした流れに改めて反発したもの。
ケイ大使は「中国はこうした露骨なダブルスタンダードに決然と反対する」とし「朝鮮半島問題と台湾問題とは性格がまったく違う」とも述べた。今年4月、尹大統領がロイター通信とのインタビューで「台湾問題は中国と台湾だけの問題ではなく、南北問題のように全世界的な問題」と述べた発言を狙ったものとみられる。ケイ大使は「朝鮮半島と台湾問題を同一線上に置いて論じることは受け入れられず、台湾問題をグローバルイシュー化することも受け入れられない」と述べ、台湾問題を「核心利益」と考える中国の強硬な立場を再確認した。
北朝鮮問題と関連してケイ大使は、「中国は安定と和解のために建設的な役割を果たしてきた。これは朝鮮半島問題を『対岸の火事』のように眺め、『燃えている家を扇ぐ』ような域外の一部の国家とは本質的な違いがある」とし「中国は各関係国が朝鮮半島の平和と安定という大きな枠組みで対話と交渉を堅持することを訴える」と述べた。
ケイ大使は「米国が価値観という名目で特定の国家を排斥する『小グループ』を作り、他国も同調することを強要している」とし「こうした『新冷戦』の逆風の前で、各国は真の多国間主義を堅持しなければならない。国連を中心とする国際体系と国際法に基づく国際秩序を確固として守らなければならない」とも述べた。