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メーデーに「建暴」レッテル貼りで悲劇…尹大統領は「法治」強調ばかり

登録:2023-05-02 03:15 修正:2023-05-08 00:23
被疑者尋問当日、裁判所の前で 
建設労組幹部が焼身自殺図り「危篤」
1日の拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を前に焼身自殺を図った建設労組江原支部のYさんが、ソウル永登浦区の漢江聖心病院へと移送されている=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が建設労組の活動を「建暴」(建設現場の暴力行為)と規定し、大々的な捜査を行う中、メーデー当日の1日に拘束前被疑者尋問を控えた民主労総建設労組の江原道地域の幹部が裁判所前で焼身自殺を図った。労働界は、政府と捜査当局の無理な捜査が今回の事態を招いたとして反発している。

 ハンギョレの取材を総合すると、1日午前9時35分ごろ、江原道江陵市(カンヌンシ)の春川(チュンチョン)地方裁判所江陵支院前で、民主労総建設労組江原建設支部の第3支隊(江陵、束草(ソクチョ)、高城(コソン)、襄陽(ヤンヤン))を担うY支隊長(50)が焼身自殺を図った。Y支隊長は焼身直後、一時は心停止状態になるなど危篤に陥り、火傷の専門病院であるソウルの漢江聖心病院へと運ばれた。

 Y支隊長は束草や江陵などの建設現場で組合員の採用、労組専従費の支給を強要した容疑(共同恐喝)などで2月から捜査を受けていた。検察は4月26日、これらの容疑で拘束令状を請求し、Yさんはメーデーの1日午後3時ごろから別の2人の幹部とともに拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を江陵支院で受ける予定だった。昨年建設労組の地域代表格である支隊長に就任したYさんは、建設現場において建設会社との団体協約を主導する過程で捜査線上にのぼったものとみられる。民主労総建設労組のソ・イルキョン法規部長は「(検察と警察は)専従費支給、組合員採用など、団体協約締結に関するあらゆる事項に対して共同恐喝容疑を適用した」と話した。

 Y支隊長は焼身の直前、SNSの建設労組幹部グループへの投稿で「罪もなく正当に労組活動をしていたのに、(適用された容疑が)集会・デモ法違反ですらなく、業務妨害および恐喝だというのです」、「私の自尊心が許さない」と記している。江原建設支部のキム・ジョンベ支部長は「会社側の話だけを聞いて拘束令状を請求した、無理な捜査だという話をY支隊長がよくしていた」と語った。江原道束草に住むY支隊長は、スーパーマーケットの労働者である妻と共に中学生の2人の子どもを育てる建設労働者で、2019年11月に民主労総建設労組に加入し、鉄筋チーム長として働いてきた。

 建設労組のチャン・オッキ委員長はこの日昼、ソウル鍾路区(チョンノグ)の東和免税店前で行われた全国同時多発決意大会で「正当な労組活動を違法と決めつけ1千人あまりの建設労働者を内偵し、15人を拘束した」、「人間の尊厳を踏みにじる行為に対して、政権は責任を取るべき」だと語った。建設労組は7月10日の全面ストライキを予告した。

キム・ヘジョン、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1090157.html韓国語原文入力:2023-05-01 22:51
訳D.K

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