韓国で検察捜査権を縮小した改正検察庁法と刑事訴訟法が議決される過程で、少数政党の法律案審議と表決権の侵害があったという憲法裁判所の決定が出た。ただし、憲法裁は法案議決が無効だとは判断しなかった。ハン・ドンフン法務部長官と検察官らも法案の議決が無効だとして権限争議審判を請求したが、却下された。
憲法裁は23日、与党「国民の力」のユ・サンボム議員とチョン・ジュヘ議員が国会法制司法委員長を相手取って請求した権限争議審判で、裁判官5対4の意見で認容の決定を下した。憲法裁は「国会法制司法委員長が2022年4月27日の法司委全体会議で、検察庁法改正案と刑事訴訟法改正案の可決を宣言した行為は、国会議員である請求人の法律案審議・表決権を侵害した」と明らかにした。ハン・ドンフン法務部長官と検察官6人が国会を相手取って請求した権限争議審判に対しては、裁判官5対4の意見で「法務部長官は請求人の適格性がなく、検察官には権限侵害の可能性がない」として却下した。
改正検察庁法・刑事訴訟法は、検察が直接捜査を開始する対象を従来の6大犯罪(腐敗、経済、公職者、選挙、防衛事業、大型惨事犯罪)から「腐敗、経済犯罪など大統領令で定める重要犯罪」の2種類に縮小し、捜査を開始する検察官と起訴する検察官の分離、検察の補完捜査範囲の縮小などを骨子としている。法務部は「憲法で与えられた検察官の捜査権と起訴権が侵害された」として、国会を相手に権限侵害の確認および法律案無効を主張し、権限争議審判を請求した。ユ議員とチョン議員は、法律の議決過程で「少数政党の審議・表決権が侵害された」として、国会議長と国会法制司法委員長に対して権限争議審判を請求した。