16日の東京での首脳会談で、日本の岸田文雄首相が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に2015年の韓日「慰安婦」合意の「着実な履行」を求めたと日本メディアが報道したことで、この問題が韓日関係の新たな争点として浮上している。とりわけ合意当時に日本政府が「和解・癒やし財団」に拠出した10億円(当時のレートで約103億ウォン)の残りの基金の活用案などが問題化することが予想される。
政府は一貫して「2015年の韓日合意の有効性を認め、尊重する」との立場を維持しており、これは尹錫悦政権も同じだ。
ただし、当時の合意にもとづいて日本が和解・癒やし財団に拠出した10億円の残余金額をどのように処理するかという問題が残っている。日本政府は2015年の韓日「慰安婦」合意にもとづいて10億円を和解・癒やし財団に拠出しているが、そこから被害者に47億ウォンが支給され、財団には56億ウォンが残っている。また、政府は財団の解散を決めた後の2018年、和解・癒やし財団に日本が拠出した10億円を代替することを目的として、予備費103億ウォンを編成し、女性家族部が運用する両性平等基金に拠出している。結局、56億ウォンの財団残余基金と103億ウォンの両性平等基金の活用問題が残されている格好だ。
国家安保室のキム・テヒョ第1次長は18日のYTNとのインタビューで「日本が慰安婦合意の履行を要求してきた場合、どのように対応する計画か」と問われ、「今後両国がさらに行うべき措置は残っていない。和解・癒やし財団の残額を適切に韓国が未来志向的に使えば良い」と述べた。
だが、日本政府は残された基金56億ウォンを必ず「慰労金」名目で使うべきだと主張しており、残る被害者は慰労金を受領していないため、これといった解決策は見当たらない状況だ。
また文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2017年に外交部直属のタスクフォースが調査したところ、日本政府が朴槿恵(パク・クネ)政権に、少女像の移転▽「性奴隷」という用語の使用禁止▽関連市民団体の説得などを要求し、朴槿恵政権はこれを受け入れていたことが明らかになった。日本政府が「慰安婦」合意の履行を要求してきた場合、これらも問題視する可能性が高い。