与党「国民の力」の前代表のイ・ジュンソク氏は16日、フェイスブックに「私たちは先日、羊頭狗肉という四字熟語を失った。今度はPoverty Pornという、今後もかなり激しく討論して苦悩すべき用語を失う」と書いた。共に民主党のチャン・ギョンテ最高委員の発言に触発された「貧困ポルノ」問題の過程で、キム・ゴンヒ女史を擁護する国民の力の議員たちに対する発言だと解釈される。
イ前代表はフェイスブックで「貧困ポルノは全障連(全国障がい者差別撤廃連帯)問題と同様に必ず指摘すべき前近代的文化」だとし、「社会福祉の広範で多様な需要を、一部の放送局と連係した貧困ポルノを前面に押し出した諸団体が独占している現状のためにも、いつかは打破すべきもの」と述べた。「貧困ポルノ」とは、貧しい人の境遇を刺激的に描写して同情を誘発する行為やマーケティング活動を批判する用語。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の東南アジア歴訪に同行したキム・ゴンヒ女史は12~13日(現地時刻)、カンボジア政府が主催した首脳配偶者プログラムに参加せず、プノンペンのヘブロン医療院を訪れて先天性心臓疾患を患う子どもに会い、その子の自宅を訪問した。子どもの世話をするキム女史の姿が大々的に報道されたことに対し、民主党のチャン・ギョンテ最高委員は「キム・ゴンヒ女史の『貧困ポルノ』グラビア撮影が問題になっている」とし、「貧困と苦痛は絶対に見せ物ではない。いかなる人間も宣伝手段として使ってはならない」と述べた。これに対し国民の力は「国民に対し社会一般に認識されている否定的意味を伝えるために、あえてあのような表現を使ったもの」とし、チャン議員を16日に国会倫理委員会に提訴した。
この問題に対してイ前代表は、「韓国式モッパン(食べている様子を映した動画や番組)は外国では『Korean Food Porn』という。ならばモッパン・ユーチューバーはポルノ俳優だということか」とし、「貧困ポルノという用語で『ポルノ』という言葉にこだわる方々は、この長きにわたる論争について一度も苦悩したことのない人であることを認めたのだ。理性を取り戻そう」と記した。