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韓中対話は開かれたが…「北朝鮮核に対する中国の役割論」には応じなかった習近平主席

登録:2022-11-16 07:28 修正:2022-11-16 10:07
韓中、バリ島で3年ぶりの首脳会談 
尹大統領「中国が北朝鮮の脅威に積極的な役割を」 
習主席「韓国が南北関係の改善を」
尹錫悦大統領と中国の習近平国家主席が15日(現地時間)、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれたインドネシア・バリで初の首脳会談を行う前に挨拶を交わしている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と中国の習近平国家主席が15日(現地時間)、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれたインドネシアのバリ島で初の首脳会談を開き、北朝鮮の核・ミサイル問題と交流・協力強化などについて話し合った。尹大統領は習主席に北朝鮮の脅威と関連して「中国の積極的役割」を要請し、習主席は「南北関係を韓国が積極的に改善していくことを希望する」と原則論的な態度を示した。

 尹大統領と習主席は同日午後、バリ島のあるホテルで25分間の初の首脳会談を行い、韓中関係の発展方向、朝鮮半島問題、地域とグローバル情勢などについて話し合った。尹大統領は大統領当選後就任前の今年3月、習主席と電話会談をしたことはあるが、直接対面での首脳会談を行ったのは初めて。韓中首脳会談が開かれたのは、2019年12月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と習主席の北京会談以来2年11カ月ぶりだ。

 尹大統領は会談で「韓国政府の外交目標は東アジアと国際社会の自由・平和・繁栄を追求し寄与していくこと」だとし、「その手段と方法は普遍的価値と国際ルールに基づいている」と述べた。それと共に「東アジアと国際社会の自由・平和・繁栄を増進する上で、中国の役割が非常に重要なだけに、韓中両国が緊密に疎通し協力していくことを望む」と述べた。大統領室によると、尹大統領は「パンデミックとグローバル景気低迷、気候変動など複合的な挑戦を克服するために、韓中両国間の高官級対話を活発に推進していきたい」と述べた。これに対して習主席は、高官級対話の活性化に共感を示した。

 会談では、7回目の核実験が予想されるなどますます高度化する北朝鮮の核・ミサイル脅威も主要議題として取り上げられた。尹大統領は、最近の北朝鮮の脅威の高まりについて触れ、「(国連)安全保障理事会常任理事国であり、隣国である中国が、より積極的かつ建設的な役割を果たすことを期待する」と述べた。これに対して習主席は「韓中両国は朝鮮半島問題において共同利益があり、平和を守護しなければならない」とし、「韓国が南北関係を積極的に改善していくことを希望する」と述べた。習主席はまた、北朝鮮が非核化の対話に乗り出す場合には経済支援を行うという尹大統領の「大胆な構想」について、「北朝鮮の意向がカギ」だとし、「北朝鮮が呼応してくれば、大胆な構想がうまく履行されるよう積極的に支持し、協力する」と述べた。習主席が尹大統領に対し、北朝鮮問題での「積極的役割」を確答するよりはひとまず南北に任せ、一定距離を維持したものと分析される。尹錫悦政権が米日の中国圧迫基調にいっそう密着している状況が反映されたものと分析される。今月13日、韓日米首脳はカンボジアのプノンペンで、中国、北朝鮮、ロシアに対する三角協力をより明確にした「プノンペン声明」を採択した。

 習主席はこれに対する牽制も示した。同氏は韓中が「グローバル産業網とサプライチェーンの安全と安定、円滑な流れを共に保障しなければならない。経済協力を政治化し、汎安保化(安保と経済を恣意的に連携)することに反対しなければならない」と述べたと、中国官営の「中国中央テレビ」(CCTV)が報じた。半導体や人工知能(AI)など先端産業分野で中国を封鎖しようとする米国の行動に、韓国が参加することを牽制する発言と解釈される。習主席は「真の多国間主義を共に作ろう」とも述べた。

 習主席は会談で「これまで新型コロナ感染症のパンデミックで韓国を訪問できなかったが、コロナ状況がある程度安定すれば尹大統領の訪韓招請に喜んで応じる」とし、「互いに都合の良い時期に(尹大統領が)中国を訪問することを希望する」と述べたと、大統領室が伝えた。

バリ/ペ・ジヒョン記者、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1067409.html韓国語原文入力:2022-11-16 01:25
訳C.M

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