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「韓中関係は米中関係や韓米同盟の従属変数ではない」

登録:2022-10-15 03:15 修正:2023-06-09 10:30
仁川大学のアン・チヨン教授インタビュー
仁川大学のアン・チヨン教授(中国学術院長)は、「韓中関係を米中関係や韓米同盟の従属変数のように考えるのは、克服すべき冷戦時代の遺産だ」と強調した=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 「韓中関係は韓米同盟の従属変数になってはならない」

 仁川大学のアン・チヨン教授(中国学術院長)は13日、本紙との電話インタビューで、「韓国は米国と中国のどちらかに偏るのではなく、韓国にとって利益になる方を選択しなければならない」とし、上のように述べた。アン教授は鄧小平研究を皮切りに中国社会の変化を追跡してきた中国政治の専門家だ。

-習主席の3期連任をどう評価するか。

 中国の内部的には「危機意識」の発露ともいえる。40年あまり中国の超高速成長を牽引してきた改革開放は「臨界点」に達した。成長率は停滞し、不平等は拡大した。これを習主席は「柔らかい肉は食べ終わり、食べにくい骨だけが残った」と表現している。

 改革開放の初期に登場した先富論は、先に金持ちになった側は遅れた側を助けなければならないという前提があった。しかし先富論は極端化することで前提を失った。第20回党大会を前にして中国で「共同富裕論」が再び前面に登場した理由はここにある。

-今後5年間の中国の韓国政策を展望するとすれば。

 最近、シン海明駐韓中国大使に会った。第20回党大会が終われば、中国の長期発展計画についての詳細な展望を提示するという。改革開放もより一層強化する計画であり、これは韓国にとって新たな機会となるとも言っていた。韓国側と姉妹都市提携している中国の地方政府の態度も大きく変わった。以前は共同行事のための協力要請を無視したり、決定権のない下級職を立てたりしていたが、昨年からは地方政府の首長級の人物が映像で祝辞まで送ってきている。中央政府の政策基調の変化なしにはありえないことだ。米中対決の中、中国が韓中関係に積極的な方向へと政策を調整したという印象を受けた。

-韓国はどのような選択をすべきか。

 韓中関係を米中関係や韓米同盟の従属変数のように考えることがある。韓米同盟、韓米関係が韓国の利益に最も合致するなら、それもあり得る。現実は必ずしもそうではない。にもかかわらず韓米同盟ばかりを強調するのは、安保が不安だった冷戦時代の遺産だ。克服しなければならない。

 第2次世界大戦後、米国は多国間主義と自由貿易を骨子として国際秩序を打ち立てたが、米中戦略競争の中では自国に不利だとみて、これを放棄した。一方、中国は一方主義と保護貿易を批判している。韓国は米中間で「斧の刃」の上に乗っている。

 中国は第20回党大会後、対外開放を強化するとのメッセージを発する可能性が高い。韓中関係もやはり協力拡大に積極的な姿勢を示しうる。米中戦略競争が激化すればするほど、中国も韓国も困難な状況に追い込まれる恐れがある。これを利用していくべきだ。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1062645.html韓国語原文入力:2022-10-14 08:00
訳D.K

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