原文入力:2010-02-25午後07:48:04(2453字)
‘摘出’標的監査で前政権人士 追い出し
示威不参加確認書・特恵支援…芸術家と果てしなき摩擦
ノ・ヒョンソク記者
画家出身のキム・ジョンホン韓国文化芸術委員会(文芸委)委員長は最近、文芸委で‘いじめ’にあった。職員らの‘指示’によりソウル,大学路のアルコ美術館3階の箱部屋事務室で離れ暮らしをしている。職員は業務報告をせず会うことさえ避けている。2008年12月ユ・インチョン文化体育観光部長官により解任され、解任取り消し判決で去る1日から出勤したが、これまで本館執務室に足を入れることもできずにいる。後任オ・グァンス委員長が執務しているためだ。復職一ヶ月が過ぎたが儀典用乗用車や秘書はもちろん、給与さえ受け取ることができなかった。彼は「画家の私が作品ではなく‘司法芸術’で世間の話題になったこと自体が数奇だ」と語った。2人の委員長事態を産んだ文芸委跛行,現政権になり、ずたずたに引き裂かれた文化の場の現住所を集約した風景だ。
来る29日で就任2周年になるユ・インチョン長官は、主要20ヶ国(G20)首脳会議などの国家大事業を控え "優雅な跳躍" が新年の文化部の目標として新年辞に明らかにした。しかし現実は全く違う。スタート当時、文化界で前政権の不公正コード支援論難を終わらせると公言したが、進歩と保守,民官の葛藤ははるかに深刻になった。進歩指向の機関長の摘み出しに続き、新年から文芸委は2人の委員長体制で跛行して、示威不参加確認書を文化芸術家らに要求し反発を招いた。映画振興委員会の独立映画支援機関委託事業密室公募疑惑,韓国芸術文化団体総連合会(芸総)の芸術家会館工事特恵支援論難など摩擦の絶える間もない。
ユ・インチョン長官は去る2年間、効率性と成果を重視する政策路線を歩んできた。現政権の公約である‘カルチャーノミックス’、すなわち文化経済という名分の下に効率性と実績で肌に触れる文化支援策を展開するという骨組みであった。長期ビジョンを前面に出した参加政府とは違い、現場中心事後支援のような実用の枠組みで差別化するという意図だった。問題はこういう政策手段がコード分けとして現れたという点だ。実績有無を優先視するユ長官とシン・ジェミン次官の一方主義リーダーシップが、自律性と個性が命の文化の場の随所にコード論理で強制され跛行が起きた訳だ。
総入れ替え人事だけでもユ長官が就任直後の2008年3月 「以前の政府の政治色を持った文化芸術界の人々は自ら退かなければならない」と発言して以来、1年以上強行された。進歩指向のキム・ユンス国立現代美術館長とキム・ジョンホン文芸委委員長が追放された。昨年5月にはファン・ジウ韓国芸術総合学校(韓芸総)総長が文化部の標的監査に抗議し中途辞退した。
参加政府の時にスタートした芸術家たちの民間自律機関である文芸委にも集中的にメスを当てた。キム委員長退出に続き、2005年に合議制の自律組織に変わった文芸委の主要事業の大部分を長官と官僚の構想で強制し、実際には文芸振興院と変わるところのない直属体制にした。ソウル,九老移転と現大学路本館の芸術支援センター化,傘下劇場統合などを官僚らが主導した。
文化部の一方独走行政に対し、裁判所は昨年12月と今年1月にキム・ジョンホン委員長の解任取り消しおよび解任処分執行停止判決でブレーキをかけた。その結果、一つ屋根の下に2人の委員長体制というブラックコメディが起きた。映画振興委は傘下独立映画専用映画館と映像メディアセンター事業者密室選定を巡り映画界の反発に直面し、内部不正と不良工事論難などで政府支援金を還収した芸総の芸術家会館工事支援再開方針も直ちにコード分け特恵支援論難に包まれた。文化政策研究者のヤン・ヒョンミ尚明大教授は 「現政府は前政権の文化政策に対する拒否感がとても強い。そのようなコード認識が強力なリーダーシップと相まって文芸委事態のように随所に副作用が現れている」と分析した。
実際2人の長次官は葛藤を縫合する意志と力量は示せずにいる。大統領府が4大河川,世宗市問題などに対して論難の話題だけ投じて置き、後始末は後まわしにしている状況とそっくりだ。裁判所はキム委員長解任取り消し判決当時「文化部の解任措置が裁量権を逸脱・乱用した違法」と釘を刺した。こういう恥辱的判決に対して文化部側は「控訴結果が出る時まで見守ろう」という返事で責任を回避し傍観している。文芸委2人の委員長事態に対し「おもしろいだろうね」とした長官の反応にも 「キム委員長の権限に対しては文芸委全体会議の決定を尊重する」「互いの立場で最善を尽くすほかはない」というシン次官の東問西答は事態の深刻性とはかけ離れている。チョン・ヒョグァン前文化芸術委員は「現文化部は文化政策と事業とを混同している」として「顕著な成果中心,優秀性中心の事業基調で政策方向を判断した結果、政府と民間の役割を区分せずに商品としての文化だけを強調する流れが見える」と批判した。
国政理念の反映と実体的成果を強調する文化部首長らのリーダーシップは、どんな批判があろうが文化芸術界の枠組みを過去の政権とは明確に違うようにやり直すという負けん気まで伺える。文化界疎通不在に対する記者らの指摘に「人生観が異なる人までいちいち協議する必要はない」というシン次官の返答がその傍証だ。2人の首長が、現MB政府の国政スタイルを‘アバター’のように盲従する政策基調を大きく変えない限り、いつまでも葛藤は繰り返されると多くの文化芸術家は口をそろえる。
ノ・ヒョンソク記者 nuge@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/406789.html 訳J.S